ワニ走る!「ギャロップ」走法を使って全速力で駆けるクロコダイル

動物
Image by lapping from Pixabay

素早い身のこなしと強力な顎、そして無数に生えた鋭い歯で水中では敵なしのワニは、実のところ地上でもかなりの危険動物です。

その鈍重そうな見た目に反し、ワニは想像以上に早く走ることができ、迂闊に近づく生き物をあっという間に捕らえることが出来ます。

 

ワニの地上での速さに関する逸話は各地に存在しています。

しかし実際にワニが“どのような足のさばき方で”走っているのかを調査した研究はほとんどありません。

今回ロンドンの大学が面白い実験をしています。

それは世界各地に生息するクロコダイルやアリゲーターの歩き方を、様々な方向からカメラに収めるというものです。

類を見ない実験により、ワニの驚くべき走り方についての秘密が明かされています。

 

スポンサーリンク

 

ワニの走法の違いとその驚きのスピード

 

ロンドンのロイヤル・ベタリナリー大学(Royal Veterinary College-RVC)の研究グループは、米国フロリダ州セントオーガスティンにあるアリゲーターファームと動物園に協力を依頼し、15種のクロコダイル、アリゲーター、カイマン、合わせて42頭の歩き方や速度を調査しています。

過去の研究では一握りのワニだけが地上を走るとされてきました。

しかし実験結果は、意外にも多くの種のワニたちがそれぞれの走法で走っていることを明らかにしています。

研究グループは新たに、「ミンドロワニ」、「キューバワニ」、「アメリカワニ」、「ニシアフリカコビトワニ」、「West African slender-snouted crocodile」のクロコダイル5種が「ギャロップ走法」で走っていることを発見しました。

 

ギャロップで走るワニ  (Royal Veterinary College/PA)

 

ギャロップは馬が全速力で走る際の足のさばき方です。

 

また別のワニ8種はギャロップではなく「バウンディング」と呼ばれる方法で走っていることもわかりました。

 

バウンディングで走るワニ。犬や猫の走り方と似ている  (Royal Veterinary College/PA)

 

この2つの走法以外のワニは「速足」で走っていました。

調査では「ギャロップ」ができるのはクロコダイルのみで、アリゲーターやカイマンは他の走法を使うことが明らかになっています。

 

RVCの進化バイオメカニクスのスペシャリストであり研究リーダーのジョン・ハッチソン氏は、様々なワニが異なる走法を使っているにもかかわらず、全体的な速度はほとんど同じだったことに驚いたと語ります。

実験に参加したワニたちの速度は、どの種やどの走法であっても時速18キロ近くでした。

ハッチソン氏は、ワニたちの間にある走法の違いは体の大きさと関係があるのではないかと推測していて、特に小さいワニがバウンディングやギャロップを使い加速することは、危険からの脱出に役立っていると話しました。

 

実験場所を提供したセントオーガスティンアリゲーターファームのディレクター、ジョン・ブリュッヘン氏は、今回の結果について、「私たちは長年にわたって多くのワニたちの行動を目撃してきましたが、科学的研究でこれらの観察結果を形式化できたのは素晴らしいことです」と述べています。

 


 

研究グループは、ワニの走法の多様性は進化によるものだと考えています。

かつてワニの祖先は長い足を持っていましたが、現在のワニはそうではありません。

馬の走法であるギャロップを現代のワニが使用しているのは祖先の名残の可能性がある一方、別の可能性としては、ワニたちが「現在進行形」で進化の途上にあるという大胆な仮説も成り立ちます。

研究者は、現代のクロコダイルとは違う系統の祖先を持つ「インドガビアル」が、ワニの走法についてのカギの一つを握っていると考えていますが、インドガビアルの歩行に関する調査は不十分なため、さらなる研究が必要です。(インドガビアルは現在絶滅の危機に瀕しています)

研究者は今回の実験結果を、これまで少数のワニだけが速く走るとされてきた一般的な概念に対する反論の証拠だとしています。

 

研究結果はScientific Reports誌に掲載されました。

 


 

 

せつな
せつな

意外に速い……油断したらやられる……

しぐれ
しぐれ

猫みたいに走るワニは案外かわいいかも

かなで
かなで

ワニは地上でも強くて速いんだねー

 

 

 

 

References: Royal Veterinary College,ScienceAlert

コメント