睡眠時間の研究:眠らない動物を探して

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地球には様々な種類の生き物が存在しています。

それぞれ形も大きさも住む場所も異なりますが一つだけ確実な共通点があります。

それはどんな生き物も睡眠なしでは生きられないということです。

広い地球のどこかに眠ることのない生物がいてもおかしくはありませんが、科学者たちはいまだ眠らない生物を発見していません。

 

動物と睡眠の関係については昔から多くの科学者たちが関心を寄せてきました。

そしてそれは現在でも続いています。

 

睡眠の謎にとりつかれた女性医師――睡眠と死因との関係性

 

人間を例にとるとわかりやすいですが、どんなに眠らないでいようとしても最終的には身体が睡眠を求めてしまいます。

長期にわたる睡眠不足が心臓病や脳卒中、体重増加から糖尿病に至るまで多くの健康への悪影響につながることを私たちは知っています。

これは単純に人間が生きていくには睡眠が必要であることの証です。

 

しかし睡眠が何であるのかについての謎はいまだに解き明かされていません。

 

19世紀のロシアの女性医師であるMaria Manaseinaは睡眠の謎にとりつかれ、後に疲労と睡眠に関する著書を出版しました。

彼女は睡眠についてこう語っています。

 

私たち全員が人生を愛し可能な限り長く生きたいと願っています。それにも関わらず人生の3分の1、時には半分も睡眠に費やしているのです。

 

Manaseinaは子犬を使った睡眠実験を行っています。

それは数日間犬を眠らせないようにした単純なものでしたが、結局数日後に犬は睡眠不足で死亡してしまいました。

またげっ歯類やゴキブリなどを使った実験も行いましたが、睡眠不足はそれらに致命的な影響を与えました。

 

実験に使われた生き物たちは死んでしまいましたが、根本的な死因に睡眠がどれだけ関わっているのかについてはいまだにわかっていないのが現状です。

 

超短い睡眠時間の生き物たち

 

 

完全に眠らない動物はこれまで発見されていませんが、極端に短い睡眠時間を持つものは存在しています。

スーパーショートスリーパーとよばれるこうした短い睡眠の生物の研究は、人間の睡眠障害に対する理解を深めることにつながる可能性があります。

 

2月にJournal of Science Advances誌に発表された研究はミバエの睡眠習慣を観察しています。

インペリアル・カレッジ・ロンドンでシステム生物学の講師を務めているGiorgio Gilestro氏は、このミバエたちはめったに眠ることがないと語っています。

 

Gilestro氏たちのチームはミバエの集団の睡眠時間を調査しました。

そしてその平均睡眠時間が300分である一方、一部のミバエが極端に短時間の睡眠しかとらないことを発見しました。

研究では集団のうちの6%が一日72分以下の睡眠しかとっておらず、その中には4分しか眠っていない個体も確認できました。

さらに驚くべきなのはこれらのスーパーショートスリーパーの集団が平均的なミバエと比べても早死しなかったという点です。

彼らは他のミバエと同じくらい生きることができました。

 

この結果からGilestro氏たちのチームは、人々が考えているより睡眠が必要でない場合があるかもしれないと考え始めています。

 

ハエと人間では体の構造も生活習慣も違うので参考になるかは未知数ですが、事実300分の睡眠と4分の睡眠との間に寿命の差がないのだとすれば、これまでの睡眠に対する考え方が変わる可能性があります。

 


 

ドイツのマックスプランク鳥類学研究所で鳥の眠りを研究しているNiels Rattenborg氏は、一部の動物はこれまで考えられてきたよりもはるかに少ない睡眠で生きることができるようだ、と語りました。

2016年にRattenborg氏と彼の同僚は、ガラパゴス諸島に生息するオオグンカンドリに小型の装置をつけて脳内の電気信号を測定しました。

モニターは彼らが急上昇している際の脳の動きをキャッチします。

 

データからはオオグンカンドリが飛行中に脳の半分を眠りにつかせていることがわかりました。

またときには脳の全てが眠っていることさえありました。

これは多くの鳥たちが飛行中に睡眠をとっている可能性を示す結果ですが、驚きだったのはオオグンカンドリが1日平均42分しか眠っていないことでした。

 

Rattenborg氏は眠らない動物が見つかると思うか、という問いに対し何でも起こりうると述べた上で次のように付け加えました。

 

しかし動物の睡眠の研究でわかったことは誰でも眠らないわけにはいかないということです。たとえ少ない睡眠時間のショートスリーパーであっても最低限必要な睡眠量があります。

 


 

残念ながら眠らない動物はまだ発見できていないようです。

結局のところどんな生き物でも生命維持のために睡眠を必要とすることにかわりはありません。

 

どうあがいても人生の3分の1は睡眠です。

寝ずに働くのはAIやコンピューターに任せ、残りの3分の2を楽しむために良い睡眠をとることにしましょう。

 

 

References:LiveScience

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