イギリスのロンドン塔は、飼っているワタリガラスの1羽が行方不明になったと報告しています。
ロンドン塔では一定数のワタリガラスが常に飼育されており、古い言い伝えでは、カラスの数が6羽未満になるとイギリスは崩壊するとされています。
行方不明の1羽が戻らない場合、残るカラスの数は7羽となります。
数週間前に姿を消したのは「メルリーナ (Merlina)」という名前のメスです。
メルリーナは、飼育員や観光客から「女王」とも呼ばれていた人気のカラスでした。
Though it isn’t unusual for our ravens to roam outside the walls, free-spirited Merlina has previously always returned to the Tower and to the Ravenmaster and his team, with whom she shared a wonderfully close bond. (2/4)
— The Tower of London (@TowerOfLondon) January 13, 2021
ロンドン塔のレイヴンマスターであるクリストファー・スケイフ氏は、BBCの番組に出演し、メルリーナの失踪について次のように説明しています。
「メルリーナは自由奔放なカラスで、塔を離れることで知られています。彼女は通常であれば戻ってきますが、今回はそうではありませんでした」
メルリーナは2020年のクリスマスの直前に姿を消し、現在に至るまで戻ってきていません。
スケイフ氏は、「メルリーナは死亡したと推定される」と結論づけたうえで、「現在ロンドン塔にはワタリガラスが7羽おり、このうちの6羽は法令に基づくものです。また予備のカラスもいるため問題はありません」と述べ、言い伝えを心配する人に対し、落ち着いた行動をとるよう促しています。
ロンドン塔によると、今のところメルリーナの空席を埋める計画はないものの、繁殖プログラムが継続して行われるということです。
ロンドン塔でのワタリガラスの飼育は、「駆除すると王国が滅びる」という予言を信じたチャールズ2世によって始められたとされています。
レイヴンマスターはワタリガラスを専門で飼育するんだって
私の職業はレイヴンマスターです、とか言ってみたい……
Reference: The Tower of London,The Guardian