オーストラリアはグーグルに対し、アボリジニの聖地「ウルル」の画像を削除するよう求めています。
削除が要請されたのは「Googleマップ」に存在している、ウルルの頂上から撮影された画像です。
世界で2番目に大きい一枚岩であるウルル(別名エアーズロック)は、オーストラリアの先住民族「アナング」の聖地で、2019年10月26日から一般人の登山が禁止されています。
現在Googleマップに残っている画像は登山が禁止される以前に撮影されたものですが、アナングの人々は、聖地の画像がネット上に残ることを望んでいません。
山を管理しているウルル=カタ・ジュタ国立公園は声明で、「ウルルの伝統的な所有者であるアナングの希望に従い、グーグルオーストラリアに対しコンテンツの削除を要求した」と述べています。
これを受けグーグルの広報担当者は、「私たちは、ウルルがアナングの人々にとって神聖な場所であることを理解している」と述べ、現在コンテンツの削除を進めている最中だと説明しています。
アナング族は白人の入植によって奪われた権利を取り戻すため、長い間戦ってきました。
ウルルは1985年にアナング族に返還され、それ以降、登山客が落とすお金は部族の貴重な収入源となりました。
しかし観光客が増えていくにつれマナーの低下が目立つようになり、アナング族は聖地を守るため、政府に対し登山の禁止を求めてきました。
ウルルの登山禁止については、多くの人がその意義を認める一方、一部の観光客は不満を抱いています。
ウルルは1987年に、ユネスコの世界遺産に登録されています。

せつな
せめてストリートビューは残しておいてほしい……

しぐれ
アナングの人のウルルへの想いを感じるね
Reference: CNN