オーストラリアの森林火災で被害を受けた人や動物を救済しようと、世界各国から善意の品が寄せられています。
カナダのボランティアグループCanadian Animal Rescue Craft Guildは、山火事で負傷した動物たちを助けるために、医薬品と手作りのバスケットやジャケット、ポーチなどを現地に送りました。
多くのカナダの人々がグループの活動に賛同し、寄せられた品は、5,000点の手作りの製品と2,000点の医薬品の合計500㎏にも及びました。
しかし6回の飛行機輸送によってオーストラリアに運ばれた援助の品は、必ずしも現地の人に歓迎されているわけではありません。
救援物資を送りつけることは時に本当の支援を妨げる
火災の被害が最も大きいニューサウスウェールズ州の緊急職員であるジェレミー・ヒルマン氏は、「残念ながら現地で起こることは支援物資で溢れかえることだけだ」と述べ、カナダだけでなく各国から支援物資が寄せられている状況に懸念を示しました。
またオーストリアのボランティアグループAnimal Rescue Collectiveも声明を出し、国際的な支援に感謝の言葉を述べつつも、これ以上の物資を送らないようにと訴えています。
同グループは、現在、多くの被害者に救助の手を差し伸べている状況だとしたうえで、支援された人がこれ以上のものを望んでおらず、追加の物資が必要ないことを改めて強調しました。
多すぎる支援物資は、時として本当の助けを必要とする人の妨げになります。
“善意”の名のもとに世界各国から送られてくる支援物資は、より緊急性の高い救助スタッフやガソリンなどと競合し、現地での救助活動に影響を与えます。
またすぐに必要ではないものを倉庫などに保管する場合、スペースを圧迫してしまい他の必需品を収納できなくなることもあります。
米国の国際災害情報センター(Center for International Disaster Information)の所長であるファニタ・リリング(Juanita Rilling)氏は、災害時に届けられる多くの支援物資は非常に一般的な問題であると指摘します。
リリング氏は、「過去50年間、世界中のほとんどの大規模な緊急事態への対応は、邪魔になる一方的な寄付の洪水の影響を受けてきた」と述べ、支援をしたいのならば物を送るのではなく、お金を送るのが最善の選択であると勧めました。
現地に現金を送ることに多くの人が不安や疑問を抱いている点についてリリング氏は、「コツは、その地域で実際に働いている人を特定し、彼らに寄付することだ」と述べ、寄付や支援は美しいことだと表現しながらも、そこに知識が加わらなければうまくいかなくなることがあると話しています。
物を送りつけるほうは満足でも受け取る方は迷惑ってこともあるよね
現地で活動している人を調べて少しでもお金を寄付する方が、本当の支援につながるのかもしれないね
References: BBC