新型ウイルスの影響で人々が使い捨てのマスクと手袋を利用するようになってから、海洋ゴミの種類に変化が起き始めています。
フランス南部の海岸沿いにある保養地コート・ダジュールで、定期的なゴミ拾い活動を行っている非営利団体「Opération Mer Propre」は、世界的なパンデミックが起きて以降、海中でマスクや手袋を発見するようになったと報告しています。
使い捨てのマスクや手袋は、プラスチックと共に、海洋生物に影響を与えるアイテムのリストに加わりつつあります。
使い捨てのマスクは海に仕掛けられた時限爆弾のようなもの
(Photo: Opération Mer Propre/Facebook)
海中のマスクや手袋は5月頃から発見されるようになりました。
フランス当局はこれまでに20億枚の使い捨てマスクを注文しています。
Opération Mer Propreのジョフリー・ペルティエ氏は、これらのゴミを「Covid廃棄物」と呼び、何百万もの人々が使い捨てのマスクや手袋を利用している現状に懸念を示しました。
団体のメンバーの一人ローラン・ロンバール氏は、「もうすぐ地中海では、クラゲよりも多くの使い捨てマスクが見られるようになる」と述べています。
(Photo: Opération Mer Propre/Facebook)
使い捨てのマスクや手袋にはプラスチックの成分が含まれているため、適切な処理をしなければ長い間環境に残り続けます。
しかし多くの人は、自分の使っているマスクや手袋が何で作られているのかに無関心です。
ペルティエ氏は、「何もしなければ汚染が起きるのは確実だ」と述べ、人々に対し再利用可能なマスクや手袋を利用するよう促しています。
WWF(世界自然保護基金)の調査によると、地中海には毎年57万トンのプラスチックが流れ込んでいます。
これは1分間に33,800個のプラスチックボトルを海に投げ入れることに相当します。
コート・ダジュールを含む地域の政治家であるエリック・ポージェ氏は、マスクにはポリプロピレンなどのプラスチックが含まれていることが多いと指摘し、「450年の寿命を持つこれらのマスクは、私たちの惑星の環境に長期的な影響を与える、生態学的時限爆弾である」と述べています。
香港の無人島周辺の海中でも使い捨てマスクが見つかったんだって
マスクの需要はまだまだ続きそうだから世界の海が心配だな
References: The Guardian