ロックダウンの影響はほぼなし 二酸化炭素濃度が去年のピーク値を突破

自然
(Mauna Loa Observatory/NOAA)

新型コロナウイルスによる経済の停滞は、二酸化炭素の排出量を劇的に減少させました。

しかしその割合はというと温暖化を防ぐほどのものではなく、“焼け石に水”といった程度です。

 

ハワイにあるマウナロア観測所のデータによると、今年の5月の二酸化炭素濃度は417.2ppmに達しました。

これは去年のピーク値である414.8ppmよりも高い数値です。

米国スクリップス海洋研究所のラルフ・キーリング教授は、パンデミックがCO2の削減につながっていないように見えることについて、「もし世界各地でロックダウンが起きていなければ、CO2の濃度はさらに上昇していた可能性がある」と述べ、温暖化の問題に対し新型ウイルスが果たした貢献はあまりに小さいものであると強調しています。

 

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新型ウイルスは二酸化炭素の削減にほとんど貢献していない

 

多くの人は町が活動をやめたため、空気がきれいになり、自然環境がかつての姿に戻り始めていることを実感しています。

しかし大気に排出されるCO2がなくなったわけではありません。

分析では、今年の4月初めの世界のCO2排出量は、例年よりも17%少なくなりました。

しかしロックダウンが解除されるにしたがい、2020年全体では4~7%の減少にしかならないと予測されています。

キーリング教授は二酸化炭素を「埋め立てゴミのようなものだ」と表現し、今回の危機で排出量はいくらか減少したが、それはマウナロアで確認できるほどのものではなかったと述べています。

 

マウナロア観測所のCO2濃度のデータ (Scripps Institution of Oceanography)

 

スクリップスの科学者によると、目に見える形でCO2の削減を実現するには、現在の排出量を20%から30%削減し、その状態を6カ月から12カ月続ける必要があります。

地球の二酸化炭素は1950年代から継続的に観測されてきましたが、その排出量は右肩上がりで、この傾向に歯止めがかかったことは一度たりともありません。

また排出量の上昇幅も年を追うごとに大きくなっています。

1960年代の年ごとの平均上昇幅は約0.8ppmでしたが、1980年代には1.6ppm、2000年代には2.0ppm、そして2010年代には2.4ppmにまで拡大しました。

 

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環境保護活動家たちは、新型ウイルスの世界的な影響が、CO2の削減にほとんど影響を与えていないことに対し危機感を抱いています。

英国グリーンピースのエグゼクティブディレクターであるジョン・ソーヴェン氏は、「わずか数カ月の排出量削減では、一世紀半の間に蓄積した数千億トンの二酸化炭素を減らすことはできない」と指摘し、政府に対し、さらに清潔で健康的で安全な世界を構築することに取り組むよう求めています。

 


 

 

せつな
せつな

普通の生活が戻ってきたらCO2の排出がもっと増えそうな気がする……

しぐれ
しぐれ

CO2の排出量はエルニーニョ現象なんかも関係してるから、一概に人間だけが悪いとは言い切れない部分もあるね

 

References:The Guardian

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