Googleは、過去37年分の衛星画像を使った新しい「タイムラプス」機能を、Google Earthに追加しました。
「Timelapse in Google Earth」は、1984年から2020年までの衛星データを元にタイムラプス動画を再生する機能で、地球の表面がどのように変化していったのかを、実際に目で見て確認することができます。
画像はNASAやESA(欧州宇宙機関)、米国地質調査所などが運用している衛星が撮影したもので、Googleのチームは、20ペタバイトにも及ぶ膨大なデータを、200万時間以上かけて処理しました。
今回のアップデートは、Google Earthとしては、2017年以降で最大規模です。
タイムラプスでは、任意の場所を検索できるほか、あらかじめ用意された「森林破壊」や「氷河」といったテーマごとに、地形の変化を見ることもできます。
新しいタイムラプスについて、Google Earthのディレクターであるレベッカ・ムーア氏は、「私たちの惑星は、過去半世紀の間に、人類史上最も急速な環境変化を経験してきました。Google Earthのタイムラプスでは、問題や解決策だけでなく、数十年にわたって展開される魅惑的で美しい自然現象など、変化する地球の姿を鮮明に映し出すことができます」と述べています。
タイムラプスに使われている2400万枚以上の画像のうち、詳細なもののいくつかは、ESAの地球観測プログラム「コペルニクス」が運用する衛星、「センチネル-2 (Sentinel-2)」によって撮影されました。
2機の衛星で構成されるセンチネル-2は、地球の極軌道を周回し、10mの解像度の画像を、290kmの観測幅で記録し続けています。
センチネルには現在6つのシリーズがあり、それぞれが大気や海洋、および陸上の植生や水域などのデータを収集しています。
コペルニクスの科学・アプリケーション・気候部門の責任者であるモーリス・ボルジョー氏は、「私たちは自然か人工かを問わず、地球上の変化のあらゆる側面を分析し、それが気候に与える影響を調べています。センチネルのデータを利用すれば、何百万人もの人々が、地球の変化を探索することができます」と述べています。
Google Earthのタイムラプスは、今後10年にわたってアップデートが行われ、毎年多くの衛星画像が追加されていきます。
タイムラプスは、Google Earthのサイドメニューにある「Voyager」からも利用できます。
Googleは現在、世界各地にクローズアップした、800以上のタイムラプス動画も公開しています。
タイムラプスだと、森林や氷河の減少がよくわかるね
都市の発展具合を見るのも面白い……
References: Google Earth,ESA