現代は隕石が落ちてきやすい時代であることが判明

宇宙

地球にはこれまで数えきれないほどの隕石が飛来してきました。

その中には当時の生態系を破壊するほどの大きな影響を与えたものもあります。

隕石や小惑星の衝突は度々映画やSF小説などで描かれてきましたが、それがただの絵空事ではないかもしれないという研究結果が発表されています。

 

私たちは過去と比べて隕石の飛来する確率が高い時代に生きています。

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現代は隕石の落下する確率が高い時代

 

アリゾナ州にあるバリンジャー・クレーター

 

先日サイエンス誌に掲載された研究で、地球と月に飛来した小惑星や隕石の数は2億9000万年前から急激に増加していることがわかりました。

これは地球にあるクレーターの年代分析と月のクレーターのデータから判明したもので、従来考えられてきた定説を覆す可能性があります。

 

この研究は、地球のクレーターの年代測定が大気や水などの浸食によって正確でない可能性について調べることにあります。

 


 

クレーターは小惑星や隕石の衝突によってできますが、その年代が正確でない場合があることを科学者たちの多くは理解していました。

地球上のクレーターの多くは、3億年よりも前にできたことを示す証拠に乏しいという結果があります。

 

もちろん偶然そういう結果になったという可能性もないわけではありません。

しかしほとんどのクレーターが3億年以内に出来たとするにはさらなる確証が必要です。

 

そこで研究者たちは地球の衛星であり、数々のクレーターが残るに注目しました。

 

月は地質的には静かな星です。

大気も水もほとんど存在していないことから、月のクレーターの年代を測定できれば地球のクレーターの年代も予測することができます。

 

しかしそれをどうやって調べるのでしょうか。

 

月のクレーターが地球の歴史を解き明かす

 

ルナー・リコネサンス・オービター Image Credit: NASA/Goddard/Arizona State University

 

そこに手を差し伸べたのはNASAの月周回衛星ルナー・リコネサンス・オービターLunar Reconnaissance Orbiter, LRO) でした。

 

LROは2009年に打ち上げられた月の極軌道(北極から南極を通るルート)を回る周回衛星で、備え付けられた超高性能カメラで月面の詳細なデータを収集しています。

またDiviner(ディビナー)と呼ばれる熱放射計が月の表面から放射される熱を計測しています。

ここから得られるデータを使って研究者たちはクレーターのできた時期を記録していきました。

 

その結果わかったことは月のクレーターも2億9000万年前から急激にでき始めたということでした。

 


 

論文の主執筆者であるトロント大学のSara Mazrouei氏は、月にあるクレーターのうち2億9000万年以内にできたものの数がそれよりも前にできた数の2倍から3倍あることを突き止めました。

この結果は地球のクレーターの多くも2億9000万年以内に出来たことを証明するものです。

 

Moon Sheds Light on Earth’s Impact History

Moon Sheds Light on Earth’s Impact History

 

前述したように地球にあるクレーターは浸食の影響で正確な年代がわからないものが数多くあります。

地球の隕石が時代を通して平均的に落ちてきたのか、またはある時期に集中的に落ちてきたのかは地球だけの調査では限界がありました。

 

しかし今回月のクレーターの多くが最近になって(といっても3億年弱ですが)集中してできたことがわかりました。

研究チームはこの結果が、地球で絶滅した生物や進化を遂げた生命の歴史に影響を与える可能性があるとしています。

 


 

なぜ2億9000万年前を境に隕石の衝突が増えたのかははっきりとはわかっていません。

科学者たちの推測の一つは3億年ほど前に火星と木星の間で小惑星同士の大きな衝突があったのではないか、というものです。

この時できた衝突の破片が地球や月に降り注いだ可能性があります。

 

いずれにしても今回の研究結果が示すことは、現代が隕石や小惑星の衝突の危険性が高い時代であるということです。

そしてその事実は将来地球に衝突する可能性のある物体に対して人類がどのような対策を取りうるべきかの議論につながります。

 

今すぐに危険があるというわけではありませんが、今回の研究結果が小惑星監視システムへの投資につながることを期待したいところです。

 

 

 

 

Source:NASA

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