オリオン座の恒星の一つである「ベテルギウス」は冬の空でひときわ明るく輝く星です。
しかし最近の観察結果によると、その明るさは急激に落ち始めています。
これはベテルギウスが超新星爆発――すなわち星としての寿命を終え大爆発する前兆である可能性を示すものです。
急激な明るさの低下と縮小は超新星爆発の前触れか
米国ビラノバ大学の天文学教授エドワード・ギナン氏は、12月8日に発表したベテルギウスに関する論文の中で、今年の10月以降にベテルギウスの明るさが急激に低下し、通常時の2.5倍暗くなったと報告しました。
ベテルギウスは夜空で9番目に明るい星でしたが、現在の順位は23番目です。
ギナン教授たちのグループは、過去何十年にもわたってベテルギウスを観察してきました。
教授は「1980年以来この星に関しては継続的に報告されてきており、ここ50年間では今回ほど暗くなったことはなかった」と述べ、超新星の原因は星の奥深くにあるため、ベテルギウスの大きさから、実際にそこで何が起こっているのかを知るのは不可能だと説明しています。
左上に位置する明るい星がベテルギウス Credit: A. Dupree (CfA), R. Gilliland (STScI), NASA
ベテルギウスは地球から約642光年ほど離れた位置にある赤色超巨星で、太陽の12倍の質量を持ち、半径が太陽から木星の軌道に及ぶほどの巨大な星です。
この星は変光星でもあり、一定期間ごとに明るさを変えます。
天文学者はベテルギウスが明るさを変えることを知っていますが、ここ最近の明るさの低下は、これまでのサイクルとはかけ離れた異常なものでした。
ギナン教授はベテルギウスが超新星の候補であると考えていて、爆発に至るまでの時間的猶予は1000万年もないと推測しています。
教授は、ベテルギウスがいますぐに爆発するかはわからないものの、おそらく20万年後か30万年後には起こり得ることだと話しています。
もしベテルギウスが爆発した場合、地球には何らかの影響が及ぶのでしょうか。
ギナン教授は、ベテルギウスが爆発した場合、鮮やかな青い光を放ち昼間でも明るく見えるだろうと述べ、爆発による光は3カ月から4カ月にわたって放たれ続け、完全に消えるには約1年かかると説明しています。
また地球への影響に関しては、生物への直接的な危険はないものの、爆発からの紫外線が大気中のオゾンに影響を与える可能性があると指摘しました。
ベテルギウスは明るさの低下だけでなく、その大きさも縮小している可能性があります。
物理学者でノーベル賞受賞者でもある故チャールズ・タウンズ博士は、2009年に、ベテルギウスが1990年代半ばから15%ほど縮小していると報告しています。
これはタウンズ博士をはじめとした専門家たちを困惑させました。
その理由は、星が縮小した場合通常はその明るさが増すからです。
ベテルギウスは縮小すると同時に明るさも低下していました。
タウンズ博士は当時、「ベテルギウスの奇妙な振る舞いが何を意味しているのかはわからないが、それはとても小さな明るい星かもしれないし、ブラックホールでさえあるかもしれない」と語っています。
銀河系で起こった最も最近の超新星爆発は、1604年の「SN 1604」(またはケプラーの星)が起こしたものです。
SN 1604の爆発は18カ月にわたり空を明るく照らしたとされています。
ベテルギウスが爆発した場合、それはめったに見ることのできない天体ショーになるでしょう。
天文学者によるとベテルギウスの爆発は明日起こってもおかしくはないということだ
600光年以上離れてるわけだから、実際にはもう爆発してるかもってことだよね?ふしぎー
とりあえずサングラスでも買ってこよう……
References: CNN