NASAの宇宙望遠鏡NEOWISEが3月に発見した「ネオワイズ彗星 (C/2020 F3)」は、7月3日に近日点(太陽に最も近い地点)を無事通過し、再び太陽から遠ざかり始めています。
ネオワイズ彗星はここ四半世紀のなかで最も明るい彗星で、十分に暗ければ肉眼でも見ることができます。
また地球に最も近い地点を通過する7月23日以降も、双眼鏡や望遠鏡を使えば8月中旬まで尾を引く姿を確認できます。
ネオワイズ彗星が次に地球に近づくのは約6,800年後になります。
NASAのジェット推進研究所のNEOWISEの科学者であるジョセフ・マシエロ氏はネオワイズ彗星について、「直径は約5kmであり、核の部分は、太陽系が形成されたときに残ったすす状の暗い粒子に覆われている」と説明し、接近が一期一会の機会となることから、「次の通過を待つことはお勧めしません」と述べています。
※下はISS(国際宇宙ステーション)から見たネオワイズ彗星です。
Comet NEOWISE from ISS, July 5th pic.twitter.com/pAbGdtchAc
— Seán Doran (@_TheSeaning) July 7, 2020
水星の軌道のすぐ内側を通過したネオワイズ彗星は、運が悪ければ、太陽の重力にとらえられ破壊されてしまう可能性がありました。
彗星から延びる尾は、太陽の熱によって表面から剥がれ落ちたガスや塵です。
※下はNASAの太陽探査機パーカー・ソーラー・プローブが7月5日に撮影したネオワイズ彗星です。
(Credits: NASA/Johns Hopkins APL/Naval Research Lab/Parker Solar Probe/Brendan Gallagher)
ネオワイズ彗星は、7月中旬までは、日の出の1時間前の北東の方角に現れます。
その後は明るさが低下するため、中旬から後半にかけては、日の入り1時間後の北西方向で見られます。
詳しい方角については、国立天文台の「今日のほしぞら」や、「SkySafari (Android/iOS)」などの天体アプリで確認することができます。
近日点通過後にも明るさを保っている彗星は貴重だぞ
次にやってくるのが6,800年後……地球と人類はどうなってるんだろう……