太陽系の中でもっとも大きい惑星である木星ですが、いまだにわかっていないことも多く衛星も次々と見つかっています。
神秘的かつ圧倒的な存在から思わず降参してしまいそうになる木星ですが、その周囲を回る衛星たちを使って興味深い映像が作られました。
1610年にガリレオ・ガリレイがお手製の望遠鏡で見つけた4つの衛星を「ガリレオ衛星」といいます。
そのなかのイオとエウロパが木星を横切る映像を、NASAの技術者が作成して話題になっています。
People seemed to like the Europa/Io/Titan gifs, so as an experiment I went and made a short video of them. The Voyage of the Moons.
Image data via @CassiniSaturn https://t.co/8SLjERSRWc pic.twitter.com/kvznw9ck6J
— Kevin M. Gill (@kevinmgill) 2018年10月22日
手前にあるのがエウロパで奥がイオになります。
背景はだれもが知っているであろう木星の大赤斑です。
イオの画像は2017年に土星に突入してミッションを終了したカッシーニが、木星をスイングバイした際に撮影されたものです。
「月の航海」と題されたこの映像は、NASAのソフトウェアエンジニアであるKevin M. Gill氏が作成したもので、イオとエウロパ、そして土星の衛星タイタンが好きであることから作成に至ったということです。
現実にはこの並びと縮尺で見られることはないのですが、ちょっとした遊び心で作ったそうです。
イオとエウロパがレースをしているように見えるのがなんとも微笑ましいですね。
(そしてあの怖い大赤斑がカプチーノみたく見えるのも悪くないです)
Gill氏の映像を見て想像力がかきたてられたのか、今度は別の宇宙好きが土星とタイタンの映像を作成しました。
……and then Titan as it passes over Saturn and it’s edge-on rings. NASA/JPL/Kevin M. Gill pic.twitter.com/tsUSyYSBu7
— Domenico Calia (@CaliaDomenico) 2019年1月2日
タイタンは生命体がいるかもしれないと言われている土星の衛星で、地球以外で唯一、厚い大気と永続的な液体が存在しています。
技術や資金面の問題がありタイタンの本格的な調査はまだ行われていません。
人類がその謎に迫るまでは、この映像をみて宇宙の神秘に思いをはせるのもいいかもしれません。
Gill氏は最近新作を作ったようでそちらもなかなか評判なようです。
Testing whether I’d be able to render a @NASAJuno flyover of Jupiter. Looks promising… pic.twitter.com/mcChn1TCee
— Kevin M. Gill (@kevinmgill) 2019年1月3日
現在木星の極軌道で調査を続けているNASAの探査機ジュノーからの映像を合成したものです。
こうしてみると飛行機の上から見下ろす雲のような感じがしますね……雲の幅一つが地球の直径くらいあることを忘れてしまうほどです。
ジュノーが映した木星の画像で創造性を発揮する人たちの話題もよかったらどうぞ。
宇宙は暗くて怖いイメージがありますが(実際そうなのですが)こうした遊び心でアレンジした映像があるとなんとなく身近なものに感じられますね。
宇宙や星に対してちょっとでも興味がわいてもらえればとてもうれしいです。
Source:Twitter