イスラエルの民間月面探査機Beresheetが着陸に失敗、関係者は「それでも誇りに思う」と語る

宇宙
© SpaceIL/IAI

2月21日に月へ向かって飛び立ったイスラエルの民間初の月面探査機「Beresheet」は残念ながら着陸に失敗してしまいました。

4月11日、着陸を予定していた月面から約150m上空でメインエンジンに故障が発生し通信が失われてしまい、機体はそのまま月面に衝突したとみられています。

 

 

イスラエルの非営利団体SpaceILが主導してきた民間初の月面着陸プロジェクトはここで一旦その幕を下ろすことになります。

 

Beresheet(創世記の意味があります)の設計に関わったIAI(Israel Aerospace Industries)のゼネラルマネージャーOpher Doron氏は「不幸にもうまく着陸することはできなかったが、これは今までで最も素晴らしい成果だ」と語りました。

また着陸の生中継を見守っていたイスラエルのネタニヤフ首相は「最初がうまくいかなかったならもう一度やればいい」とチームに言葉をかけました。

 

NASAの科学ミッション総局のThomas Zurbuchen氏はBeresheetの着陸失敗を受け「宇宙というのは難しい場所だがリスクに見合うだけの価値がある」と述べ「いつか一緒に月を探検できる機会を楽しみにしている」とコメントを出しました。

 

イスラエルが目指していた、ロシア、アメリカ、中国に次ぐ史上4番目となる月面着陸の夢は次の機会におあずけとなりました。

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宇宙開発は国家規模のプロジェクトとなるのが常ですが、Beresheetはそこに民間が参入できることを証明してみせました。

かつてアポロ計画で宇宙船1機に費やされた費用の5分1(約1億ドル)で月へ向かったBeresheetは、着陸こそ失敗したものの多くのものを残してくれました。

 

Googleが主催となって行われた民間月面着陸コンテストの一参加者だったBeresheetをコンテスト中止後に引き受け、資金や人員を集めることに尽力した南アフリカの富豪Morris Kahn氏は「今回の結果をとても誇りに思う」と語っています。

Kahn氏はかつてアメリカがアポロ計画で人類史上初めて月面着陸し世界中を熱狂させたことを挙げ、Beresheetのミッションが若いイスラエル人に大きな夢や未来を見せたのだと言います。

 

これまで100万人以上の若い学生たちと出会いました。そして宇宙について彼らを興奮させました。私たちはすでに目標を達成したのだと思います。

 

またKahn氏は、墓場で一番の金持ちになりたくはないと語り、自分のお金を生産的なことに使ったことを楽しんだと語りました。

 

 

 


 

民間初の月面着陸ということで(日本ではあまり触れられませんでしたが)世界中が注目していた今回のミッションは、残念ながら失敗となってしまいました。

しかし8年にも及んだプロジェクトはBeresheetとSpaceIL、そしてプロジェクトに関わった多くの人たちに夢と希望を与えました。

 

Beresheetが送ってきた自撮り写真にはプレートが掲げられています。

そこには「小さな国、大きな夢」と書かれていました。

いつの日か、プロジェクトに感銘を受けた若いイスラエルの科学者がこの残してきた夢を取り戻しに月へ向かうかもしれません。

 

2か月半にも及ぶ孤独な宇宙の旅でしたがBeresheetの残したものは宇宙開発の歴史にしっかりと刻まれることでしょう。

お疲れ様、Beresheet!……そしてありがとう!

 

 

 

References:BusinessInsider

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