恐竜たちは今とは違う土星を見ていた

宇宙
Credits: NASA/JPL-Caltech

神秘的なリングが魅力の土星ですが、そのリングがごく最近に出来たものである可能性がでてきています。

最近といっても宇宙時間なので数日前というわけにはいきませんが……。

 

地球上を恐竜が歩いていた時代の土星にはリングがなかったかもしれません。

 

土星探査機カッシーニの輝かしい軌跡

 

最後のミッションに向かうカッシーニのイラスト Credits: NASA/JPL-Caltech

 

NASAとESA(欧州宇宙機関)によって開発され1997年に飛び立った土星探査機カッシーニは、2017年に土星に突入してその任務を終えるまでに膨大なデータを地球に送り届けました。

 

木星で一般相対性理論の検証を行い、未発見の土星の衛星を見つけ、タイタンでは液体のメタンの存在を確認したりと素晴らしい活躍を残してくれました。

そしてもちろんカッシーニの残したデータには土星の環に関するものも多く含まれています。

 

その中でもカッシーニのラストミッション――土星に突入し破壊されるまでの間データを送り続けること――はこれまでの知見を覆す新たなデータであふれていました。

 


 

NASAの科学者たちはその最後のデータの中から土星の環に関するものを検証しています。

そのデータにはリングの形成時期を特定するために必要な質量についてのデータも含まれています。

 

データが導き出した答えは、これまで考えられていた定説とはまったく異なっていました。

 

土星のリングは推定1億歳

 

Credits: NASA/JPL-Caltech

 

ローマ・ラ・サピエンツァ大学のカッシーニラジオサイエンスのメンバーで主席研究者であるLuciano Iess氏はカッシーニの最後のデータから新しい発見をすることができたと語ります。

 

カッシーニが土星に近づくことによって初めて新しい発見ができました。そしてカッシーニはその使命の基本的な目標を達成しました――それは土星のリングの質量と年齢を決定することです。

 

これまで天文学者や科学者たちは土星のリングが土星そのものよりも後に出来たものだと推測してはいました。

しかしそれがいつ頃なのかについては決定的なデータが不足していました。

 

カッシーニはそこに詳細なデータをもたらしました。

 


 

リングを形成する氷の塊はそれができてから時間がたつほど宇宙に漂う物質に汚染されていきます。

様々なものが付着することで暗くそして重くなっていきます。

 

カッシーニのデータはリングが比較的明るくて軽いことを示していました。

つまり土星の環は考えていたよりもずっと若いということになります。

 

研究者が導き出したリングの年齢は――およそ1億歳でした。

 


 

リングがなぜ、またどのようにしてできたのかは謎のままです。

一説には土星の近くを通り過ぎた彗星が重力に引き寄せられてできたとするものがありますが、これも仮説にすぎません。

 

それでもリングの年齢が判明したことは大きな進歩です。

カッシーニが最後のミッションで土星に近づかなければリングについて詳細なデータを得ることはなかったでしょう。

 

NASAのチームは現在もカッシーニから送られたデータの分析を行っています。

20年近くも宇宙を漂い黙々と仕事をこなしたカッシーニの渾身のデータは、これから先もわたしたちに新たな発見と驚きをもたらしてくれるはずです。

 


 

恐竜は絶滅してしまい今では化石でしかお目にかかれません。

しかしあれだけ大きな身体をしていたわけですから、きっととんでもない視力をもった恐竜もいたことでしょう。

もしかしたら彼らは環のない土星を見ていたかもしれないと思うと、なんともノスタルジックな気分になりますね。

 

 

 

 

References:mnn,sciencealert

宇宙
スポンサーリンク
しぐれをフォローする
しぐれちゃんねる

コメント