ナスカの地上絵143点を新たに発見!AI技術が分布図の作成や保護活動に貢献

歴史
Image Credit: YAMAGATA UNIVERSITY

山形大学の坂井正人教授たちの研究グループは、新たなナスカの地上絵143点を発見したと発表しました。

地上絵の一部は、AI技術を用いることで発見に至っています。

 

山形大学は2004年から坂井教授たちを中心に、ナスカの地上絵の研究および保護活動を続けてきました。

ナスカの地上絵がどうして作られたのかについてはいまだによくわかっていないため、研究や発掘が進むことが望ましいものの、昨今の急速な開発によって地上絵のある地域は破壊が進んでいます。

地上絵を保護し破壊から守るためには、正確な地上絵の分布について知る必要があります。

今回の発見は、ナスカの地上絵という世界遺産に新たな作品を加えるだけでなく、AIという最新の技術が用いられたことで、将来の地上絵の保存や保護につながる可能性を開きました。

 

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AIを使って初めて発見された地上絵

 

AIによって発見された地上絵 Image Credit: YAMAGATA UNIVERSITY

 

坂井教授たちのチームは、2018年までの現地調査と、高解像度の三次元画像のデータ解析などを元に今回の地上絵を発見しました。

そのうちの大きなもの1点に関しては、IBMのディープ・ラーニング・プラットフォームである「IBM Watson Machine Learning Community Edition」で作られたAIモデルがきっかけで発見されています。

地上絵は、仮説を立てたあと実際に現地調査を行うことで発見につながりますが、それには膨大な時間を要します。

そのため、地上での調査データと空からの画像データを用いたAIモデルを使った手法は、この先の地上絵の発見や調査に大きな影響を与える可能性があります。

山形大学は今後、IBMの三次元時空間データを効率的に解析するAIプラットフォーム「IBM PAIRS Geoscope」を使い、地上絵の分布状況の把握を進め、現地調査に基づいた分布図を作成する予定です。

 

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地上絵の表現方法の違いと目的

 

新しく発見された地上絵は紀元前100年~紀元300年の間に作られたものと考えられており、それらは大きく分けて2つのグループに分けられます。

1つ目のグループは、全長50メートルを超えるような非常に大きな地上絵です。

 

新しく発見された全長100m以上ある「鳥」の地上絵。線状の表現が特徴 Image Credit: YAMAGATA UNIVERSITY

 

地上絵は実際には“書かれて”はおらず、地面の黒い石を取り除き、その下にある白い面を露出させることで表現されています。

また表現方法にも2種類があり、線状に石を取り除くものと、面状に取り除くものとがあります。

よく知られているハチドリやクモ、サルといった大きな地上絵は線状に石を取り除いて描かれています。

 

一方2つ目のグループは、今回見つかった多くの作品にみられるように、小さな規模(全長5メートル以下)が特徴であり、これらは面状に石を取り除いて表現されていました。

 

新しく発見された「人型」の地上絵。横幅5mほどの面タイプ Image Credit: YAMAGATA UNIVERSITY

 

調査によると大きな地上絵ほど後の時代に作られていて、今回発見された中で最も大きい全長100メートル規模の地上絵は、ナスカ前期(紀元100~300年頃)に制作されたと考えられています。

また小さい絵はそれよりも前の、紀元前100年~紀元100年頃のナスカ早期に制作されたと推定されています。

 

これまで地上絵の大きさの違いにどんな理由があるのかはよくわかっていませんでしたが、今回研究チームは、“目的の違い”が大きさと関係していたことを突き止めています。

大きな地上絵は動物の形をした儀礼場として作られ、そこでは儀式のために土器などが破壊されていたことが現地調査によって判明しました。

一方小さな地上絵は、小道沿いや山の斜面に描かれていたことから、これらは儀式用ではなく、道しるべとして利用されていたと推測されています。

 


 

ナスカの地上絵は1994年に世界遺産に登録されましたが、当時発見されていた地上絵は30点ほどしかありませんでした。

その後山形大学は、2010年から人口衛星の画像と現地調査を元に地上絵の調査を行い、2015年までに40点以上の新たな地上絵を発見しました。

しかし近年は市街地の拡大による破壊が進み、地上絵の保護が必要な状況になってきています。

今回AIを使ったビッグデータの分析手法を通して、発見済みの地上絵の詳しい分布図の作成だけでなく、未発見の地上絵を効率的に発見、調査するための仕組みが整うようになりました。

研究チームは今後さらなる調査を続け、新しい地上絵を発見するだけでなく、ペルー政府と協力し、急速に危機が迫っているナスカの地上絵という世界遺産を保護するための活動を進めていく考えです。

 


 

 

かなで
かなで

いろんな動物の絵がいっぱいだねー♪

せつな
せつな

宇宙人が目印として利用していたと聞いたことがある……

しぐれ
しぐれ

まだ見つかってない地上絵もあるみたいだから、今後の発見に期待だね

 

 

 

References:山形大学

コメント