NASAと米国農務省森林局は、「月の木」を全国の教育機関などに配布する新たな計画を発表しました。
これは、NASAの次世代STEMプロジェクトの一環として行われるもので、宇宙から帰還した木を育てることで、将来の宇宙探査についてより関心を持ってもらおうという取り組みです。
2022年11月に打ち上げれたアルテミス1号には、特別なペイロードとして、アメリカを代表する5つの木の種子が約2000個搭載されていました。
地球に戻った種子は、森林局によって苗木に育てられており、これらは今後、希望する学校や図書館、博物館などに配布されます。
NASAのビル・ネルソン長官は、「アルテミスの月の木は、宇宙探査の科学と創意工夫を地球に持ち帰りました。月の彼方40000マイルを飛行したこれらの種子は、私たちの地域社会に探検の精神を植え付け、次世代の探検家にインスピレーションを与えるでしょう」と述べています。
Baby Moon Trees!
— NASA Artemis (@NASAArtemis) August 3, 2023
The @ForestService has begun germinating some of the 2,000 tree seeds that traveled around the Moon and back to Earth aboard #Artemis I.
Stay connected with @NASASTEM for an upcoming information session on how to become a Moon Tree recipient. pic.twitter.com/4ZzEJbDt5w
月の木というアイデアは今回が初めてではありません。
1971年、アポロ14号のパイロットの1人だったスチュアート・ルーサは、個人的な荷物として数百個の種を持ち込み、他の2人が月面で作業をしているなか、司令船で実験を行いました。
ルーサは、森林局の元スモークジャンパー(森林消防士)でした。
ルーサの種子は、今回と同じように森林局が苗木に育て、建国200周年記念の行事の一環として、全国各地に配られました。
アルテミス1号は、次の5つの木の種子を運んでいました。
・テーダマツ(Loblolly pine)
・アメリカスズカケノキ(American sycamore)
・モミジバフウ(Sweetgum)
・ジャイアントセコイア(Giant sequoia)
・ベイマツ(Douglas-fir)
森林局長官のランディ・ムーア氏は、「アルテミスのミッションで宇宙に飛んだ種子は、まもなく月の木として、全国のキャンパスや教育機関に堂々と立つことになります。これらの月の木は以前のものと同様、心を込めて課題に取り組むならば、私たちに達成できないものは何もないという、強力なシンボルとして機能するでしょう」と述べています。
新世代の月の木は、2023年から2024年にかけて全国に配られる予定です。
種子は希少ではないありふれたものが選ばれたそうだ
宇宙から帰ってきたと思うと手入れにも力が入るね
Reference: NASA