1972年のミュンヘンオリンピックにカヌー選手として出場し、その後も世界各地で記録を打ち立ててきた冒険家が、18年の待機期間を経てついに宇宙に飛び立とうとしています。
今年80歳の元オリンピアン、ジョン・グッドウィン氏は、これまでアメリカやヒマラヤ山脈、北極圏などの地で数千キロに渡るカヌー遠征を行ってきました。
冒険への情熱は2014年にパーキンソン病と診断されてからも衰えることはなく、世界中の同じ病気の人に勇気を持ってもらおうと今も精力的な活動を続けています。
グッドウィン氏は2005年、ヴァージン・ギャラクティック社が販売した宇宙旅行のチケットを25万ドルで購入し、無重力の空から地球を眺めることを心待ちにしていました。
グッドウィン氏を含む3人は8月10日、ヴァージン・ギャラクティックのスペースシップVSS Unityに搭乗し宇宙旅行に出発します。
Jon Goodwin | Astronaut 011 | 🇬🇧
— Virgin Galactic (@virgingalactic) July 19, 2023
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グッドウィン氏はパーキンソン病を患った後も、キリマンジャロに登り自転車で下山するなど、誰もやらないような挑戦を続けてきました。
18年越しにようやく実現する宇宙旅行は、エキサイティングなことに情熱を傾けてきた人生にさらなる彩りを加えるものです。
グッドウィン氏は今回の宇宙旅行について、「私がしているようなことを他の人にもやって欲しいし、普通でないことをするのをやめないで欲しい。私はそれを本当に楽しみにしているんです」と述べています。
また25万ドルというチケット代金については、「信じられないほど良いお金の使い方だと思います。もし同じことをロシア人とやっていたら、何百万ドルもかかっていたでしょう」と述べています。
グッドウィン氏はパーキンソン病の治療法を見つけることにも熱心で、イギリスの慈善団体Parkinson’s UKへの寄付や支援グループでの活動にも力を入れています。
米国ニューメキシコ州で行われる8月の飛行には、同じ元オリンピアンである妻と二人の息子が駆け付け、父の新たな冒険を見守ります。
グッドウィン氏は、「私の行うことが、人生で困難に直面している全ての人のインスピレーションになることを願っています。このような障害が冒険の終わりではなくむしろ始まりになること、そしてそれがさらに大きなことをするための原動力になり得ることを示せればと思っています」と述べています。
ヴァージン・ギャラクティックによると、パーキンソン病の人が宇宙に向かうのはグッドウィン氏で二人目になるそうだ
年齢にも病気にも立ち向かう姿はまさに冒険家……
References: Virgin Galactic,The Independent