ESA(欧州宇宙機関)の彗星探査機ロゼッタからのデータは、彗星が地球と同じようなオーロラを放つ天体であることを示しています。
2004年に打ち上げられた「ロゼッタ」は、2014年に「チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星」に到達し、着陸機「フィラエ」とともに2年にわたってデータを集めてきました。
オーロラは通常、太陽風(プラズマ)と大気との相互作用によって作られます。
これまで地球以外の天体でオーロラが確認されているのは、火星、木星(とその衛星の一部)、土星、天王星、海王星だけでした。
彗星でのオーロラの確認は今回が初めてのことです。
Comets have auroras too! ☄ Our instruments aboard the @ESA_Rosetta spacecraft have helped reveal that a comet has its own far-ultraviolet aurora. About this first-ever finding on a celestial object other than a planet or moon: https://t.co/BAwlgGD16A pic.twitter.com/34llumwE7t
— NASA (@NASA) September 22, 2020
彗星のオーロラは、太陽風と天体から放出されるガス(コマ)が反応し、それらが水や他の分子に分解されることで発生します。
しかしこのオーロラは地球のものとは違い、人間の目には見えません。
ロゼッタに搭載されていたNASAの機器は、フィラエの周囲にある電子の量とエネルギー、そして彗星の周囲の水分子を測定することで、肉眼では見えない遠紫外線の電磁放射を確認しています。
Nature Astronomyに掲載された研究の著者の一人であるインペリアル・カレッジ・ロンドンのマリーナ・ガランド氏は、オーロラについて、「ロゼッタに搭載された多数の機器からのデータをリンクさせることで、それらがどのように形成されるのかを明確に特定できた」と説明し、「チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星を取り巻く輝きは、比類のないものである」と述べています。
彗星のオーロラは、太陽風が時間とともにどのように変化するのかを知るうえで重要です。
太陽が常に放出しているエネルギーは、人類の宇宙進出を阻む大きな壁となっています。
太陽風の理解は、衛星や宇宙船そして宇宙飛行士の保護に役立ちます。
発光してるみたいで面白いねー
ロゼッタからのデータはこれまでの彗星のイメージを変えるかもしれないな
Reference: NASA