NASAは探査機ボイジャー2号について、7月21日以降、通信ができない状態にあると明らかにしました。
ボイジャー2号は姉妹機の1号と共に1977年に打ち上げられた探査機で、木星、土星、天王星、海王星を観測し、2018年に星間空間に突入した後も地球との通信を続けていました。
ボイジャーを運用しているNASAのJPL(ジェット推進研究所)によると、7月21日に地球から送った一連のコマンドに誤りがあり、その結果アンテナの向きが2度ずれ、送受信が不可能になったということです。
現在JPLは通信を復旧するため、オーストラリアのキャンベラにあるDSN(ディープスペースネットワーク)から、ボイジャーのいると思われる地点に向けて新たなコマンドを送ろうとしています。
(8月1日、DSNがボイジャー2号からの信号を捕捉しました!)
Earth to Voyager… 📡
— NASA JPL (@NASAJPL) August 1, 2023
The Deep Space Network has picked up a carrier signal from @NASAVoyager 2 during its regular scan of the sky. A bit like hearing the spacecraft’s “heartbeat,” it confirms the spacecraft is still broadcasting, which engineers expected. https://t.co/tPcCyjMjJY
ボイジャーには定期的にアンテナの向きを修正するプログラムが施されていますが、次回は10月15日に行われるため、通信の復旧が失敗した場合、ミッションチームは数カ月の間ボイジャーの居場所を特定できなくなります。
NASAは、通信不能の間も、ボイジャーが予測通りのルートを進むだろうとしています。
ボイジャー2号は現在、地球から199億Km離れた地点を、時速約55,000Kmで進んでいます。
地球からあまりにも離れているため、地上から送ったコマンドの結果を知るには、36時間以上待つ必要があります。
ボイジャー2号と1号は、予定されていたミッション期間を大幅に超え現在でも稼働を続けています。
2機の探査機とも、少なくとも2025年までは、地球に宇宙のデータを送り続けます。
ボイジャー2号が発する信号をDSNが特定できたみたいだ
今は通信できなくても居場所がわかれば10月に復旧できそうだね
Reference: NASA JPL