NASAが海王星最大の衛星トリトンへと向かうミッションを提案。次のディスカバリー計画に採用か

宇宙
Image Credit: NASA

NASAのジェット推進研究所を代表する科学者たちは、先日行われた惑星科学会議で海王星の衛星であるトリトンへの探査ミッションについて初めて提案をしました。

ニューヨーク・タイムズ紙が伝えるところによると、このミッションはNASAのこれまでの大規模な費用をかけたものではなくより安価なものになるだろうとしています。

具体的にはNASAのディスカバリー計画(安価で太陽系内を探索することを目的としたプログラムでいくつかの候補の中から決定される)の下、5億ドル以下の費用で行う予定です。

 

この探査ミッションの主任研究員であるLouise Prockter氏は今こそ任務を遂行するときがきたと述べ、またこれを低コストでやることが非常に重要であると強調しています。

探査機の名前は「トライデント」でこれはギリシア神話における海の神ネプチューンが持っている武器が由来です。
(海王星は英語でネプチューンといいます)

スポンサーリンク

 

ボイジャー2号から30年、新たな探索者トライデントがトリトンへ向かう

 

トリトンは海王星の衛星として1846年にイギリスの天文学者ウィリアム・ラッセルによって発見されましたが、過去にそこまで到達したことのある探査機は1989年のボイジャー2号だけです。

現在太陽圏を抜けて宇宙の果てに向かっているボイジャー2号は、海王星やトリトンを含む多くの星を調査し明かされていなかった秘密を地球に届けました。

 

ボイジャー2号がもたらした結果などからトリトンの地下には水があると考えられていて、探査によってそれが確認できれば生命の存在の可能性につながります。

またトリトンは他の衛星に比べてとても大きく太陽系にある衛星の中で唯一主星と逆方向の軌道を持っています。

これはトリトンが海王星よりも外側にある天体群「エッジワース・カイパーベルト」からやってきたからだと考えられています。

 

先日探査機ニューホライズンズがエッジワース・カイパーベルトにある天体ウルティマ・トゥーレに最接近しましたが、トライデントもトリトンを調査することで太陽系に関する全く新しい事実を見出す可能性があります。

 


 

海王星は太陽系の最も外側に位置する惑星です。

これはそこまでの道のりが険しいことを意味します。

唯一海王星に到着したボイジャー2号は1977年に地球を飛び立ちましたが、これはこの時期でなければそもそも海王星にまで行くことが不可能だったからでした。

探査機は惑星の重力を利用したスイングバイを行うことで軌道を調整します。

短期間で目的地に到着するためには惑星の並びが適切である必要があり、ボイジャー2号は1977年に飛び立つことで175年に1回しかない貴重な星の並びを利用することができました。

 

トライデントはトリトンに向かうために木星の重力を利用することが予定されています。

ミッションのプロジェクト科学者であるKarl Mitchell氏によると2040年までにトリトンに向かう必要があります。

この機会を逃すと次にトリトンに向かうことができるのはそれから80年以上後になるということです。

 

 

 


 

トライデントのトリトンへのミッションは正式に承認されたわけではありません。

NASAは2年ごとにディスカバリー計画のミッションを開始することにしています。

最近の成功例は2018年に火星に無事着陸したインサイトミッションでした。

またディスカバリー計画の次のミッションは、木星の周囲にある小惑星帯トロヤ群を調査する「ルーシーミッション」に決定しています。(2021年打ち上げ予定)

 

今後どのようになるのかは分かりませんが、トライデントにはボイジャー2号の成し遂げた偉業を継ぐ新たな人類の知の結集として活躍してほしいと思います。

 

 

References:NewYorkTimes

宇宙
スポンサーリンク
しぐれをフォローする
しぐれちゃんねる

コメント