インドの探査機「チャンドラヤーン3号」が月面着陸に成功 史上4か国目となる快挙

宇宙
(ISRO)

インドの月探査機「チャンドラヤーン3号」が史上初めてとなる、月の極付近への着陸に成功しました。

インド宇宙研究機関(ISRO)は23日、チャンドラヤーン3号から切り離された着陸船「ヴィクラム」が、無事月の表面に到達したと発表しました。

月面への探査機の着陸は、これまでに、アメリカ、旧ソビエト、中国の3か国だけが成功させていますが、チャンドラヤーンの目的地は、月の南極付近のエリアで、ここに着陸船が到達したことは過去に一度もありません。

ヴィクラムの着陸により、インドは月面着陸を成し遂げた4番目の国になると同時に、極に到達した唯一の国として歴史に名を刻んだことになります。

 

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インドは2019年に、チャンドラヤーン2号で月を目指しましたが、この時は着陸船が月面に衝突してしまい、悲願は叶いませんでした。

ISROはチャンドラヤーン2号の失敗を受け、新たに3号のミッションを開始し、NASAやESAなどの協力を得ながら、2023年7月14日に探査機を打ち上げました。

チャンドラヤーン3号は、かつて月に着陸したアポロシリーズとは異なり、あまり強力ではないロケットを使って宇宙空間に飛び立ちました。

そのため、地球の重力を利用しながら推進力を得なければならず、到着に1カ月以上の時間を要することになりました。

 

ヴィクラムの着陸には細心の注意が払われました。

過去に月面着陸に失敗した多くの探査機は、推進力と傾きを適切に維持できなくなった結果、月面に衝突しました。

チャンドラヤーン2号の着陸船も、着陸の数分前に姿勢の制御に苦しみ、最終的に通信途絶に陥っています。

 

 

チャンドラヤーン3号が到達した場所は、月の南極地点であり、ここには科学者が宝と呼ぶ、水や氷が大量に眠っている可能性があります。

NASAのアルテミス計画を始め、世界の宇宙機関が深宇宙の探索に意識を向け始めているなか、月はその中継地点としての役割が期待されています。

もし南極に水や氷が存在しているならば、人間が月で活動するための資源として有効利用できます。

 

 

今後ISROは、ヴィクラムに搭載されている月面探査車「プラギャン (Pragyan)」を使って、14日間の調査を行います。

サンスクリット語で“知恵”を意味するプラギャンには、月の土壌や鉱物を分析するための機器が搭載されています。

プラギャンが得たデータは、ミッション失敗後も引き続き月を周回しているチャンドラヤーン2号を中継し、地球に送られることになっています。

ISROによると、プラギャンは秒速1センチメートルの速度で移動し、進む度に、6つの車輪に刻まれたロゴとエンブレムが月面に残るということです。

 


 

 

かなで
かなで

なんで14日間しか調査しないんだろう?

ふうか
ふうか

月の1日は大体28日だから、太陽電池で動く探査車は光が届く14日間しか活動できない、ということだな

 

References: ISRO,BBC