NASAのハッブル宇宙望遠鏡が、太陽系から遠ざかるネオワイズ彗星の姿をとらえています。
今年の3月にNASAの宇宙望遠鏡NEOWISEによって発見されたネオワイズ彗星(C/2020 F3)は、1997年のヘール・ボップ彗星以来最も明るい彗星として注目を浴びました。
地球に最接近した7月23日前後は肉眼でも見ることができました。
ネオワイズ彗星が次に地球を訪れるのは約7000年後になります。
ハッブルは8月8日、ネオワイズ彗星のクローズアップ写真を撮影しました。
画像には、彗星の左右に塵や氷が噴き出している様子が映し出されています。
Earlier this month, Hubble took a look at Comet NEOWISE shortly after its pass by the Sun! ☄️ Now, it’s heading for the outer solar system at a speed of 40 miles per second.
— Hubble (@NASAHubble) August 21, 2020
NEOWISE won’t be back by our planet for nearly 7,000 years: https://t.co/dKfyYWPwfq pic.twitter.com/WxvmJRrVbi
ネオワイズ彗星は7月3日に太陽から4300万キロメートルの位置を通過しました。
多くの彗星にとって太陽の重力は破壊的であり、ネオワイズ彗星がばらばらにならなかったのは幸運でした。
ハッブルの画像は、ネオワイズ彗星が太陽の近くを通過した後でも核が無事だったことを示しています。
彗星の中心の大きさはハッブルからでは特定できませんが、おそらく4.8km以下と推定されます。
尾の長さは約18,000kmであり、左右に分かれて見えるのは、彗星の自転によって塵や氷が扇状に広がるためです。
ハッブルが、ネオワイズ彗星のような明るい彗星を、今回のような解像度で撮影したのは初めてのことです。
カリフォルニア工科大学のハッブルの主任研究者であるQicheng Zhang氏は、「ハッブルの解像度は、他の望遠鏡で得られるものよりも遥かに優れており、彗星の核の詳細を知るためには非常に重要だ」と述べています。
ハッブルが撮影した画像は、太陽を通過した後の彗星がどのような変化を遂げるのかを知るヒントになります。
研究者は、塵の色や構造を分析することで、太陽系の初期の状態についてさらに多くを学べるだろうと話しています。
ネオワイズ彗星は現在、時速約23万キロのスピードで太陽系の外に向かっています。
ただの光の点にしか見えないけどここからいろんなことがわかるんだねー
太陽の重力に巻き込まれなかったのが幸いしたな
References: NASA