寒い夜は空気が澄んで星空が明るく見えます。
早くこたつでぬくぬくしたいところですが、年の最初の月、ちょっとだけ空を見上げてみるのも悪くありません。
2018年も様々な天体や宇宙に関するニュースがありました。
宇宙からしてみれば人類の年月など一瞬のことでしょうが、これから先もいろいろな姿を見せてくれることに変わりはありません。
そこで2019年1月の宇宙、天体イベントについてお知らせします。
ニューホライズンズがウルティマ・トゥーレに最接近――1月1日
Image Credit:NASA/JHUAPL/SwRI
元旦から大きなニュースです。
2006年に飛び立ったNASAの無人宇宙探査機ニューホライズンズは、13年近くの時を経て、太陽系の端を飛ぶ未知の天体に最接近します。
わずか4年前に発見されたばかりのこの天体――ウルティマ・トゥーレは太陽系形成の謎を解くカギとされ科学者の注目を集めています。
直径30~50kmほどの岩の塊であると予想されていますが、全容はニューホライズンズが撮る写真にかかっています。
どんな驚きの姿が地球に届くのか楽しみでなりません。
ニューホライズンズとウルティマ・トゥーレに関してはこちらに詳しく載っているので、よかったらご覧ください。↓
しぶんぎ座流星群――1月3日~4日
Image Credit:国立天文台 天文情報センター
8月のペルセウス座流星群、12月のふたご座流星群とともに三大流星群とよばれるしぶんぎ座流星群は毎年1月頃に大量の流れ星のショーを見せることで有名です。
1時間に100個もの流れ星を生み出すこともあるしぶんぎ座流星群は、1月4日の3時頃がもっともよくみられます。
極大(流星群の活動が活発になる時間)は日本時間の4日の11時頃なので、日本で観察する場合は4日の太陽が昇る前、ということになります。
それでも1時間に多い時は30個以上の流れ星が観察できます。
北東の空を見上げて今年一番の願い事をするのも、なかなかおつなものかもしれません。
ドラゴン宇宙船が有人飛行に向けた最終テストを行う――1月7日
Photo Credit:NASA
現在無人の物資補給船として活躍しているスペースX社のドラゴン宇宙船に、宇宙飛行士を乗せるという計画があります。
その第一歩となるテスト飛行が1月7日に計画されています。
NASAによるとこの計画がうまくいけば本格的な宇宙飛行士の同乗が始まるそうです。
現在、国際宇宙ステーションに宇宙飛行士を送る手段は、ロシアのソユーズ宇宙船のみとなっています。
しかし最近のソユーズ打ち上げ失敗の影響もあり、アメリカはロシアにだけ頼る方法を転換することを以前から望んでいました。
その先駆けとなる今回のドラゴンのテスト飛行は、今後の宇宙ステーション運営を大きく変えるものになります。
また民間事業者による有人の宇宙飛行、宇宙旅行というものがフィクションではなく現実味を帯びる段階にきていることを示すものとなるでしょう。
今回のドラゴンの打ち上げが成功すれば、早くて2019年の6月に宇宙飛行士を軌道に乗せる計画だそうです。
スーパーブラッドムーン――1月21日
アメリカのことになりますが、21日は満月と皆既月食が重なる現象――スーパーブラッドムーンが起きます。
名前の由来はこうです。
月は楕円軌道で地球を周回しているため、時期により見える大きさが変化します。
1月21日はその月との距離が最も近い時期にあたります。
このときの満月のことをスーパームーンと呼びます。
そして今回はここに皆既月食――太陽、地球、月が一直線上に並ぶ現象が重なります。
皆既月食は地球の大気を通した光の屈折が起こるため月の色が赤く見えます。
そこから皆既月食のことをブラッドムーンと呼びます。
この2つの珍しい現象が重なりあうことからスーパーブラッドムーンという大層な名前が生まれました。
この珍しい天体ショーが次に見られるのは2036年。
スーパーブラッドムーンは、日本時間22日の午前11時36分頃から始まり14時12分まで続きます。
日本は昼間の時間帯なのでリアルタイムで見られないのは残念ですが、ニュースや動画配信などで生中継されると思われます。
この日の夜は、星の並びがもたらす不思議なショーのことを思い出してみてください。
1月だけでも興味深い宇宙と天体のイベントがありました。
もちろん2月以降にもいろんな姿を宇宙は見せてくれることでしょう。
当たり前のように存在している太陽や月、そして多くの星たちですが、たまには空を見上げてその輝きを感じてみてはいかがでしょうか。