中国国家航天局(CNSA)は2日、月面探査機「嫦娥5号 (じょうが5号)」が無事月面に着陸したと発表しています。
11月24日に打ち上げられた嫦娥5号は、月の土壌を地球に持ち帰ることを目的とした無人探査機で、着陸後に約2キログラムのサンプルを採取する予定となっています。
サンプルリターンが成功すれば、アメリカとロシア(旧ソビエト)に次ぐ快挙となります。
新華社によると、嫦娥5号のランダーは日本時間の2日午前0時11分、西経51.8度、北緯43.1度の地点に着陸しました。
China’s #ChangE5 spacecraft successfully lands on the near side of the moon. This is the world’s first moon-sample mission for more than 40 years. #LunarProbe pic.twitter.com/pfySXUCAPG
— China Xinhua News (@XHNews) December 1, 2020
この場所は「嵐の大洋」と呼ばれる月の表側にある海で、地質の年代が比較的若い「リュムケル山」の近くにあります。
アポロ計画やソビエトのルナ計画で採取されたサンプルの年代が30億から40億年前だったのに対し、この地域の土壌の年代は約12億年前であることがわかっています。
年代の若いサンプルが地球に戻れば、月の歴史や組成に関する知識が得られるだけでなく、他の星の地質の年代についても理解が深まる可能性があります。
月の表面と嫦娥5号のランダーの影 (Credit: CNSA)
ランダーに備え付けられたロボットアームは、今後数日かけて月面を掘りサンプルを採取します。
回収されたサンプルは軌道上にある帰還船に送られ、12月中旬に、内モンゴル自治区の四子王旗に戻ってくる予定です。
NASAのトーマス・ザブーケン科学局長は、嫦娥5号の着陸を祝福し、「月で集められたサンプルは科学界を前進させる可能性があり、誰もがその恩恵を受けられることを願っている」とツイートしています。
Congratulations to China on the successful landing of Chang’e 5. This is no easy task. When the samples collected on the Moon are returned to Earth, we hope everyone will benefit from being able to study this precious cargo that could advance the international science community. pic.twitter.com/2xoKouf3dq
— Thomas Zurbuchen (@Dr_ThomasZ) December 1, 2020
月のサンプルはこれまでに、1961年から1972年にかけて行われたアポロ計画で382キログラム、1959年から1976年まで行われたソビエトのルナ計画で326.1グラムがそれぞれ回収されています。
中国の探査機が月に着陸するのは、2013年の「嫦娥3号」、2019年の「嫦娥4号」に続き3回目となります。
中国はこのところ宇宙開発に力を入れてるみたいだね
今年は火星探査機の打ち上げにも成功しているな