中国の月探査機が着陸に成功 サンプルリターンを目的とした「嫦娥5号」

宇宙
(Credit: CNSA)

中国国家航天局(CNSA)は2日、月面探査機「嫦娥5号 (じょうが5号)」が無事月面に着陸したと発表しています。

11月24日に打ち上げられた嫦娥5号は、月の土壌を地球に持ち帰ることを目的とした無人探査機で、着陸後に約2キログラムのサンプルを採取する予定となっています。

サンプルリターンが成功すれば、アメリカとロシア(旧ソビエト)に次ぐ快挙となります。

 

新華社によると、嫦娥5号のランダーは日本時間の2日午前0時11分、西経51.8度、北緯43.1度の地点に着陸しました。

 

 

この場所は「嵐の大洋」と呼ばれる月の表側にある海で、地質の年代が比較的若い「リュムケル山」の近くにあります。

アポロ計画やソビエトのルナ計画で採取されたサンプルの年代が30億から40億年前だったのに対し、この地域の土壌の年代は約12億年前であることがわかっています。

年代の若いサンプルが地球に戻れば、月の歴史や組成に関する知識が得られるだけでなく、他の星の地質の年代についても理解が深まる可能性があります。

 

月の表面と嫦娥5号のランダーの影 (Credit: CNSA)

 

ランダーに備え付けられたロボットアームは、今後数日かけて月面を掘りサンプルを採取します。

回収されたサンプルは軌道上にある帰還船に送られ、12月中旬に、内モンゴル自治区の四子王旗に戻ってくる予定です。

 

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NASAのトーマス・ザブーケン科学局長は、嫦娥5号の着陸を祝福し、「月で集められたサンプルは科学界を前進させる可能性があり、誰もがその恩恵を受けられることを願っている」とツイートしています。

 

 

月のサンプルはこれまでに、1961年から1972年にかけて行われたアポロ計画で382キログラム、1959年から1976年まで行われたソビエトのルナ計画で326.1グラムがそれぞれ回収されています。

中国の探査機が月に着陸するのは、2013年の「嫦娥3号」、2019年の「嫦娥4号」に続き3回目となります。

 


 

 

しぐれ
しぐれ

中国はこのところ宇宙開発に力を入れてるみたいだね

ふうか
ふうか

今年は火星探査機の打ち上げにも成功しているな

 

References: CNSA,BBC