8月2日、国際宇宙ステーション(ISS)での任務を終えたNASAの宇宙飛行士2人が、無事地球に帰還しました。
14時48分(日本時間8月3日の3時48分)にメキシコ湾に着水したのは、ダグラス・ハーリー氏とロバート・ベンケン氏の2人を乗せたスペースXの宇宙船「クルードラゴン」です。
2人がかつて乗船していたスペースシャトルから「エンデバー」と名付けられたクルードラゴンは、5月30日に地球を離れた後、ISSとのドッキングに成功していました。
宇宙飛行士が民間企業の宇宙船でISSに到着し、その後無事に帰還するのは今回が初めてのことです。
NASAのジム・ブライデンスタイン長官は、2人の宇宙飛行士の帰還と、NASAとスペースXのチームの努力を称え、「これは、かつて不可能だと考えられていたことも、協力によって達成できるという証だ」と強調しました。
また民間企業が初めて宇宙への人の輸送を成功させたことについて、「月と火星への大胆なミッションに進むための鍵になる」と語りました。
スペースXの社長であるグウィン・ショットウェル氏は、「全従業員を代表し、アメリカに有人宇宙飛行を取り戻す機会を与えてくれたNASAに感謝します」と述べ、また、「ロバートとダグラスが無事帰還したことはこれ以上なく誇らしいものであり、彼らのミッションへの献身にも感謝している」と付け加えています。
“Thanks for flying @SpaceX.”
— NASA (@NASA) August 2, 2020
📍 Current Location: Planet Earth
A 2:48pm ET, @AstroBehnken and @Astro_Doug splashed down, marking the first splashdown of an American crew spacecraft in 45 years. #LaunchAmerica pic.twitter.com/zO3KlNwxU3
着水時には野次馬とみられるいくつかのボートが宇宙船に接近しました。
ブライデンスタイン長官は、それらの船は招待されたものではなく、NASAは「もっとうまくやれたはずだ」と説明し、将来のミッションでは、海上交通について追加の規制が必要になるかもしれないと話しています。
今回使われたエンデバーは改修された後、来年の別のミッションに再利用されます。
NASAとスペースXが行った飛行テストミッション「Demo-2」の成功は、宇宙開発事業のメインプレイヤーが国から民間企業に移っていく未来を象徴するものです。
NASAは2011年のスペースシャトルの退役以降、民間の宇宙事業への参加を後押ししています。
スペースXとボーイングはそれぞれ総額で26億ドルと42億ドルの契約をNASAと結んでおり、両社は長年にわたってISSに宇宙飛行士を運ぶための開発競争を続けてきました。
ボーイングは「スターライナー」と呼ばれるカプセル型の宇宙船を開発していますが、昨年行った飛行テストの失敗で問題の修正を迫られており、有人飛行に関してはスペースXに先を越された形になります。
ブライデンスタイン長官は、「我々は以前のように、ハードウェアを購入、所有、操作したくはない」と述べ、NASAが低軌道の商業市場において一顧客であることを強調しています。
![しぐれ](https://shigurechan.com/wp-content/uploads/2018/10/-デフォ-e1540410061870.png)
アメリカの宇宙飛行士が海上に帰還するのは1975年以来のことなんだって
![ふうか](https://shigurechan.com/wp-content/uploads/2018/11/-喜ぶ-e1541800926183.png)
次のミッションでは日本の野口聡一宇宙飛行士が搭乗することになっているぞ