NASAはアメリカ時間の5月27日16時44分、SpaceX社の宇宙船「クルードラゴン」を使って、二人の宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)に向かわせます。
打ち上げに使用されるSpaceXの商業用ロケット「ファルコン9」は、これまでに何度もISSに貨物を運搬してきましたが、人を乗せて大気圏外に向かうのは今回が初めてのことになります。
「Demo-2」と呼ばれる今回のミッションには、2011年に退役したスペースシャトルの乗組員だった、ダグラス・ハーリー氏とロバート・ベンケン氏が加わり、ISSで3カ月にわたって科学実験を行う予定です。
クルードラゴンに乗船するハーリー氏(左)とベンケン氏 (Credits: NASA/ Bill Ingalls)
NASAはこれまで有人ミッションの全てを自身で管理、運営してきましたが、スペースシャトルの退役以降、宇宙事業の一部を民間へ委託するために多くの企業と協力してきました。
NASAは将来的に、ISSへの人と物の輸送の全てを民間に委託したいと考えています。
NASAのジム・ブライデンスタイン長官は今回の打ち上げを「新しい宇宙の時代の始まり」と表現し、「それは、かつてないほど多くの人が宇宙を利用できるようになる時代である」と述べました。
またNASAの立場については、「低軌道が完全に商業化され、多くの業者がコスト、革新性、安全性の面で競争する未来を想定している」としたうえで、NASAも一顧客であると付け加えています。
ISSへの人の輸送は、長い間ロシアのソユーズ宇宙船が担ってきました。
今回のミッションは、アメリカが9年ぶりに自国のみで行う有人宇宙飛行になります。
ブライデンスタイン長官は、「今は世界的に困難な時期だが、打ち上げは私たち全員が見て刺激を受けることのできる瞬間だ」と話しています。
クルードラゴンの打ち上げの様子はライブ中継されます。
今回のミッションが成功すれば宇宙飛行の商業化がますます加速することになるな
何事もなく成功してほしいね
References: BBC,The Guardian