NASAは火星探査車キュリオシティが撮影した地球と金星のパノラマ写真を公開しています。
2012年から火星で生命の痕跡を探しているキュリオシティは、2020年6月5日の日没から75分後に、搭載しているマストカメラ(Mastcam)を通して空を見上げました。
夕暮れ時の空の明るさを測定する目的で行われた撮影は、かすかに光る地球と金星の姿をとらえました。
(2つの星の画像は、キュリオシティのミッションチームによってつなぎ合わされています)
通常地球と金星は、火星から非常に明るく見えます。
しかしこの時期は火星の大気に含まれる塵が太陽光を反射してしまうため、空が明るくなり星を見つけるのが困難になります。
(Credits: NASA/JPL-Caltech)
キュリオシティのマストカメラの共同研究者であるマーク・レモン氏は、「金星のこの画像が撮られたとき、適度に明るい星でさえ見えなかった」と述べています。
キュリオシティは2014年にも地球と月を撮影しています。
そのときは今回ほど塵の影響がなかったため、地球は明るく見えました。
キュリオシティが2014年に撮影した地球と月 (Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS/TAMU)
火星で定期的に発生する砂嵐は星を見えにくくするだけでなく、探査機そのものにも大きなダメージを与えます。
2004年から火星探査を行ってきたオポチュニティは、砂嵐によって太陽電池が働かなくなり、2019年の2月14日に運用を終了しています。
しぐれ
時期によって星の見え方が変わるほど砂嵐の影響が大きいんだね
ふうか
キュリオシティは太陽光が遮られても動けるように原子力電池を積んでいるぞ
References: NASA