UBIソフトから3月15日発売予定の人気RPGの続編「DIVISION2(ディビジョン2)」のPC版が、Steamでは販売されないことがわかりました。
前作が発売されていたことから当然新作も、と思っていた矢先の今回の決定。
そこには最近Epicが立ち上げた独自プラットフォーム「Epic Games Store」の影響があるようです。
Ubisoftのパートナーシップ担当副社長であるChris Early氏によると、UBIはEpicがデジタル配信業界に旋風を巻き起こしていることに共感しており、今回の決定はその考えに同意した結果だと述べています。
Epicは昨年12月に独自の配信プラットフォームを立ち上げました。
PC界におけるデジタル配信の巨人といえばなんといってもSteamですが、そこに割って入るためにEpicが仕掛けた策はデベロッパーにとって魅力的なものでした。
現在Steamで販売されるゲームの収益のうち30%がValveに入るのに対して、Epic Games Storeの場合はそれが12%――つまり開発者には88%の利益が残ります。
これは単純にゲームを提供する側にとって利益が増加することを意味します。
もっともそれだけでは不十分なのはEpic側も承知しているようで、2週間ごとの無料ゲームの提供や、独占タイトルの追加(例えばTelltaleの最後の仕事となったThe Walking Deadのファイナルシーズン)などで囲い込みを図ろうとしています。
またUBIによると、Division2の後も今後1年間で発表されるタイトルをEpic Games Storeで販売するとしています。
いわゆるAAA(トリプルエー)作品でもあるDivision2などは開発費が非常に高額になっています。
そのためたとえコンソールより小さい市場であってもロイヤリティが有利になるストアがあれば、PC版をそこに出したいと思うのは本音ではないでしょうか。
Steamの影響はPCゲーム界では非常に大きいので、今回のUBIとEpicの動きがすぐに何らかの結果を生み出すかはわかりません。
また複数のアナリストの2019年予想では、Steamの優位性は揺らがないだろうとしていることもあり、今後の市場の行方が気になるところです。
The Division 2はPS4、XboxOne、PCを対象に2019年3月15日発売予定です。
『ディビジョン2』ゲームプレイトレーラー