ギネス世界記録は、ドンキーコングやパックマンのハイスコア保持者として知られるビリー・ミッチェル氏の記録を復活させると発表しました。
ミッチェル氏はこれまでドンキーコングとパックマンで数々の世界記録を樹立してきましたが、ビデオゲーム記録を審査する団体であるツインギャラクシーズ(Twin Galaxies)が不正なプレイを報告したため、ギネスも2018年に同氏の記録をはく奪していました。
ギネス世界記録のクレイグ・グレンディ編集長は、ミッチェル氏の記録の復活について、「既存の証拠と新しく提出された目撃証言に加え、専門家によるゲームプレイの分析およびハードウェア検証を行った結果、失格を支持するのに十分な証拠がないことがわかった」と説明しています。
ビリー・ミッチェル氏のギネス記録は次の通りです。
ミッチェル氏によると今回の記録の復活には、現在のドンキーコングの記録保持者であるロビー・レイクマン氏の協力がありました。(レイクマン氏の記録は126万70点)
レイクマン氏は、潔白を証明するために行ったゲームプレイを含む、ミッチェル氏の過去の記録を検証しました。
同氏は、「ビリーのゲームプレイを確認しそれを自分で再現した結果、これは正当なゲームプレイであると正直に言うことができる」と述べ、「彼がこのスタイルのプレイのために、MAME(エミュレーター)を使用したり状態を保存したりする理由はない」と付け加えました。
ミッチェル氏は2007年の記録について、「多数の審判や第三者の目撃者がいるなかで行われた」と振り返り、この時達成した105万200点は、任天堂の上級エンジニアが検証したハードウェアで記録されたものであると述べています。
ミッチェル氏は現在ツインギャラクシーズに対して名誉棄損の訴訟を起こしており、7月6日に次回の審理が行われる予定となっています。
ビリー・ミッチェル氏は1980年代のアーケードゲーム全盛期にハイスコアプレーヤーとして頭角を現し、当時からスコアアタックのイベントを開いていたツインギャラクシーズとともに全米で知られるようになりました。
その後アーケードゲームのハイスコアを審査するようになったツインギャラクシーズは、ミッチェル氏の記録を「プレイ時の基盤がオリジナルではなかった」として2018年に無効としました。
当時のアーケードゲームには、外目からはオリジナルと変わらない、独自の基盤が取りつけられていることがありました。
ミッチェル氏やツインギャラクシーズ、そしてドンキーコングの最高得点をめぐる狂騒は、2007年に公開されたドキュメンタリー映画、「The King of Kong: A Fistful of Quarters」で詳しく描かれています。
References: Ars Technica