元SIEワールドワイド・スタジオの会長で、2019年10月にソニーを離れたショーン・レイデン氏が、ビデオゲーム関係者を集めたデジタル会議「Gamelab Live 2020」に参加し、AAAゲームの現状について言及しました。
先日発売された「The Last of Us Part 2」に関する話題のなかでレイデン氏は、現在のAAAゲームの開発にはコストがかかりすぎており、次世代でもこの傾向が続いた場合、いずれうまくいかなくなるだろうと指摘しました。
レイデン氏は新世代が登場するたびに開発コストが2倍になるといった一般的な理論について触れ、「このモデルの問題は、持続可能ではないことだ」と述べました。
現在のAAAゲームの開発には、広告費を除いても8,000万ドルから1億5,000万ドルがかかり、開発期間も最大で5年を要します。
一方でゲームの販売価格は、ここ十数年の間でほとんど変動していません。
レイデン氏は、「このビジネスを始めてからゲームの価格は59.99ドルになったが、ゲームのコストは10倍になった」と指摘し、「価格に弾力性がなく、コストに大きなボラティリティがある場合、AAAモデルはより困難になる」と語りました。
またこの業界は、「自分たちが何を作ろうとしているのか」、「ユーザーは何を期待しているのか」、「ストーリーを伝える最良の方法は何か」などについて、腰を据えて考える必要があると付け加えています。
レイデン氏は、オールドゲーマーとしての個人的な意見だと前置きしたうえで、「AAAゲームが12~15時間でクリアできる規模にまで戻ることを望んでいる」と述べています。
また、よりタイトに仕上げることは、ゲームに文学作品や映画と同じような説得力を持たせることにもつながると付け加えています。
レイデン氏は次世代のAAAゲームについて「4K、HDRアート、そして世界の創造は決して安くはない」と述べ、開発コストは現行世代よりも高くなるだろうと話しています。
Source:GamesIndustry.biz