ゲーム事業への積極的な関わりが評価、Xboxのフィル・スペンサー氏が今年の顔に

ゲーム

イギリスのゲームメディアGamesIndustry.bizが発表した今年の人に、Xbox部門のトップであるフィル・スペンサー氏が選ばれました。

XboxOneがPS4に大きく水をあけられている現状において、何が評価のきっかけになったのでしょうか。

それはXbox事業が行った多角的な投資と関係しています。

 

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マイクロソフトのゲーム事業への多角的な投資

 

GamesIndustryは販売チャートから、Xboxの販売台数とゲームの販売本数が過去4年にわたりPS4に完敗していることを指摘し、それは完全にPS4が支配する時代だったと振り返っています。

ここ4年間でマイクロソフトは複数のゲームスタジオを閉鎖し、それはゲーム事業からの撤退の噂を生むほどになりました。

しかしGamesIndustryは、スペンサー氏を中心としたXbox事業が未来のゲーム世界に対して多くの投資をしたことを高く評価しています。

 

今年に入ってマイクロソフトは次々とスタジオを買収しました。

前半には「Playground Games」、「Ninja Theory」、「Compulsion Games」、「 Undead Labs」の4社を、11月にはRPGの老舗「Obsidian Entertainment」と「InXile」を買収します。

そして新しいスタジオ「The Initiative」も立ち上げ、これで計7つのスタジオがマイクロソフトの傘下に入ることになりました。

マイクロソフトのゲーム事業への投資額は、いまや100億ドル規模に膨れ上がっています。

 

Project xCloud

 

今年の10月、マイクロソフトはあらゆる端末でゲームがプレイできるようになるストリーミングサービス「Project xCloud」を発表しました。

 

 

これは特定のデバイスに縛られずに、クラウド上で動作するゲームをストリーミングでプレイするサービスです。

デバイスは高スペックである必要がなく処理のほとんどはクラウドで実行されるため、コンソールを持っていない人も数あるXboxのゲームをプレイすることができます。

ゲームのストリーミングサービスに対しては疑問の声も多く、現時点で最も収益のあるサービスPlayStation Nowでさえ小さなビジネスにとどまっています。

しかしマイクロソフトはストリーミングの未来に非常に前向きな希望を抱いています。

 

スペンサー氏はストリーミングの持つ意義についてこう語ります。

 

ゲームの未来とは、いつでもどこでもどんなデバイスでも、あなたが好きな人と好きなゲームをプレイできる未来なのです。

 

スペンサー氏は、「xCloudには開発者にも恩恵がある」と話し、コンソールを持っていない人に作品を届けられる環境は、業界全体の活力になると強調しました。

 

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Xbox Game Pass

 

2017年から始まったサブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」も、マイクロソフトのゲーム戦略の柱となりつつあります。

スペンサー氏は、「Xbox Game Passの加入者は加入する前と比べて40%多くのゲームをプレイし、またラインナップに入ったゲームは入る前と比べて6倍のプレイヤーを獲得している」と述べ、Game Passの勢いとxCloudを掛け合わせることで、ユーザーだけでなくメーカーに対しても大きなメリットを生みだせると説明しています。

そして「地球上には20億人のゲームプレイヤーがいる」と指摘したうえで、彼らの望む全てのデバイスでゲームをプレイできるようにしたいと意気込みを見せました。

 

Xbox Adaptive Controller

 

Xbox Adaptive Controllerは高い拡張性が特徴のコントローラーで、主に障害のあるプレイヤーの操作を前提に作られました。

 

 

世にバリアフリーを謳う商品はたくさんありますが、このXbox Adaptive Controllerは障害者支援団体や医療機関、福祉機器メーカーなどと協力して作られていて、まさにかゆいところにも手が届く当事者目線を重視しています。

 

Image:© Microsoft 2018

 

ボタン類は余分なものを排して大きくし、目の不自由なプレイヤーでもすぐにわかる場所に配置しました。

またボタンのマッピングもアプリによって変更することができ、左ききの人でも自分にあった設定にすることができます。

 

Image: Microsoft 2018

 

背面にある端子には複数のデバイスを取りつけることができ、障害をもったプレイヤーの選択肢を広げることに貢献します。

 

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マイクロソフトは過去にも「キネクト」と呼ばれる、ジェスチャーや音声認識で動作する端末を販売していました。

ゲームにおいては散々な評価でしたが、現在キネクトは医療の分野などで活躍しています。

 


 

スペンサー氏は2019年の展望について次のように語っています。

 

2019年はCrackdown 3(ライオットアクト3)、Ori and the Will of the Wisps、そしてGears 5などのタイトルが投入されることにとても興奮している。またPCゲーム市場やPCゲーマーに対して何かできることがあるとも感じているよ。

 

マイクロソフトのゲーム事業への挑戦と、フィル・スペンサー氏の精力的な活動は、Xboxだけでなく全てのゲームを愛する人たちの未来を見据えています。

 

References:GamesIndustry.biz,Microsoft