TGA(ザ・ゲーム・アワード)2018が12月7日アメリカのロサンゼルスで開催されました。
これは映画や音楽などと同じく、その年に発売されたゲームソフトの中から優秀作品を選ぶゲーム業界の一大イベントの一つです。
普段は切磋琢磨し、またむき出しのライバル心で対抗している大手ゲーム会社3社――ソニー・マイクロソフト・任天堂――もここでは一時休戦をしそれぞれの健闘を称えあう平和的イベントでもあります。
通常であれば各部門賞や最優秀賞を紹介するところですが、それは他のサイトさんに任せることとして今回はある注目のゲーム(およびメーカー)を見てみたいと思います。
The Outer Worlds
RPGメーカーの老舗Obsidian Entertainmentから新作シングルRPG「The Outer Worlds」が発表されました。
オブシディアンは名作「Fallout」の初期シリーズを手掛けたクリエイターが立ち上げた会社で、主にシングルRPGを開発しています。
多彩な選択肢からの分岐で結末が大きく異なるのが特徴で、プレイヤーごとに唯一の体験ができるというのが人気の大きな要素になっています。
トレイラーからはかつてのFalloutのような荒涼とした世界観とブラックなユーモアの存在が垣間見えます。
オブシディアンは2010年に「Fallout New Vegas」を開発し古くからのFalloutファンを熱狂させました。
ベセスダソフトワークスに版権が移った後、Falloutシリーズは現在4作が発売されています。
そのほとんどは高評価なのですが、今年11月に発売された「Fallout76」に関してはネットでも賛否両論の嵐が吹き荒れています。
そんななか今回のオブシディアンの新作RPGの発表はFalloutシリーズを支えてきた――主に古参の――ユーザーから熱狂的に迎え入れられることは必至でしょう。
世界観
「The Outer Worlds」は銀河の最果てに位置するコロニー「Halcyon」へと向かう入植者の船で主人公が目覚めるところからスタートします。
目覚めてすぐに目に入る光景
Halcyonでは大企業が入植者たちを追いやり独自のルールで社会を牛耳っている状態です。
辺境に追い出されたレジスタンスは主人公の能力を見込んでコールドスリープから目覚めさせ、大企業の陰謀に立ち向かっていく、というストーリーになる模様。
なんとなくNew Vegasを思い出させるデザイン
空にいくつかの惑星が見えるのが独特の世界感を構築しています。
この星はただのオブジェクトではなく宇宙線に乗って行き来することもできるようです。
ゲームシステム
オブシディアンのゲームの特徴として多彩な選択肢による物語の変化があります。
「The Outer Worlds」でもその特徴は健在のようで、今回はただ物語の行き先が変化するだけでなくプレイヤーの能力値や仲間の運命などとも関わってくるようです。
おなじみの選択肢。ただの雰囲気システムではなく実際にゲーム進行に影響がある。
また今作の特徴として面白い部分に「欠点」の重要さがあげられます。
今作ではプレイヤーの行動がトラッキングされ、それによって成長に変化が現れます。
例えばあるクリーチャーからの被弾率が高い場合、そのクリーチャーに対して恐怖症という欠点が付け加えられます。
それは戦闘を不利にしますが、一方でその相手専用の戦闘パークが追加で得られるようになるそうです。
従来の成長システムは加点システムというのがほとんどですが、今作の「減点成長システム」はなかなか面白そうなポイントですね。
仲間について
世界にはプレイヤーと行動を共にすることを望む多くのNPCが存在しています。
彼ら彼女らはそれぞれ自分の使命や目的を持ち、時にはプレイヤーと衝突することもあります。
多彩な選択肢の中から何を選ぶかでNPCとの関係が変化します。
いわゆるコンパニオンとして探索や戦闘に連れ歩く形が多くなるとは思いますが、New Vegasの時でさえ細かく行動を設定できたので、マシンパワーの上がった今作ではどんな挙動をするのかが非常に楽しみなところです。
Halcyon
この世界はある大企業の重役たちによって支配されています。
その背景には人の住めない星をテラフォーミングして住めるようにするという計画と大きく関わりがあるようです。
空に浮かぶ別の星では完全なテラフォーミングができておらず、そこには狂暴なモンスターたちが跋扈しています。
敵はもちろん異形の怪物たちだけではありません。
どこかで見たことあるようなないような……
世界には未踏の場所や集落、宇宙ステーションなど様々なロケーションが存在します。
宇宙船とクルーを手に入れて広大な星を探検するのが待ち遠しいですね。
駆け足で「The Outer Worlds」の概要を見てきました。
今作に対する熱狂的歓迎(YouTubeのオフィシャルトレーラーは24時間で150万以上の再生)は前述したベセスダの「Fallout76」の不評と無関係ではないと思われます。
ベセスダはそもそもシングルRPGの老舗で「スカイリム」に代表されるシリーズを手掛けてきました。
しかし昨今のマルチプレイ全盛期における手っ取り早い収益化を目指そうと、持ち味であるシングルプレイという要素を切り捨ててしまいました。
そこへかつてFalloutを手掛けたクリエイターがシングルRPGの分野で新風を巻き起こそうとしているとなれば、Fallout76でがっかりしてしまったプレイヤーも期待せざるを得ません。
Fallout76のこれからの展望についてはさておき、この「The Outer Worlds」はマルチプレイを排したシングルRPGの今後を占う意味でも非常に重要な作品になるでしょう。
「The Outer Worlds」は2019年にPC、PS4、XboxOneにて発売予定です。
このゲームもなかなか面白そう……購買リストに付け加えなければ
うーん……来年の予算がぎりぎりだから何か削らないと
ちょうどいいところに……これを買うので経費の都合を
活動に必要なものならいいけど……ってまたゲームなのっ!?
Obsidianの新作RPG「The Outer Worlds」についてお伝えしました。
読んでいただきありがとうございました!
References:Obsidian Entertainment:STEAM