2019年11月に登場したGoogleのストリーミングゲームサービス「Stadia」は、当初の予想よりも苦戦しています。
Business Insiderが行った複数のゲーム開発会社とのインタビューは、Stadiaの失速が主に金銭的な理由によるものであることを浮き彫りにしています。
Stadiaの失速の理由は金銭的なインセンティブが提示されなかったこと
Stadiaはゲームをディスクやダウンロード購入ではなく、インターネット経由でストリーミングしてプレイします。
今年中には無料プランが追加されるものの、現時点では月額課金のみの選択肢しかなく、また遊べるゲームの数も28と非常に少ないため、多くのプレイヤーは様子見を決め込んでいます。
ゲーム界のNetflixを目指すStadiaは、長期的な宣伝を行ってきたにもかかわらず開発会社を取り込むのに苦労しており、それは「タイトルの少なさ」という、ゲームプラットフォームとして最も回避しなければならない状況を生み出しています。
匿名であることを条件にBusiness Insiderの質問に答えた開発会社は、Stadiaのチームからアプローチを受けたこと自体は認めていますが、それは文字通りの単なる会話であったと振り返っています。
彼らは、新しいプラットフォームへの誘いがある場合、通常は何らかのインセンティブが用意されていると説明する一方、実際にはGoogleからそのようなものは提案されなかったと明かしています。
別の開発者は、「お金が足りないということだ」と述べ、金銭的なオファーがなかったことが参入を見送った理由であると話しました。
また別の開発者は、Stadiaのプレイヤー人口の少なさを指摘し、自分たちのゲームを多くのプレイヤーに届けることのできるプラットフォームはSteamやNintendo Switchであると述べています。
開発会社はStadiaから距離を置く理由の一つにGoogleの企業体質も挙げています。
ほとんどの開発者はインタビューのなかで、Googleがこれまで行ってきた数々のサービスの撤退を引き合いに出し、それが大きな不安要素であると指摘しました。
ある開発者は「Googleの歴史を見れば、彼らが1年後にStadiaに取り組んでいるかどうかもわからない」と述べ、Stadiaのサービス自体がストップしてしまう可能性があることが参入をためらう理由の一つであると説明しました。
Stadiaの代表者であるPatrick Seybold氏は、「全ての開発会社がStadia向けのタイトルを発表しているわけではない」としたうえで、「出版社と開発者は非常に協力的であり、Stadiaの成功を望んでいる」と述べています。
またStadiaには既に、EA、Bethesda、Ubisoft、2K Games、Rockstar Gamesなどの主要なヒットメーカーが参入していると説明し、「DOOM Eternal」や「サイバーパンク2077」のような大規模なゲームを含む120以上のタイトルが、今後追加される予定であると強調しました。
Stadiaは現在世界の14ヵ国でのみ利用可能であり、日本でも今後サービスが開始される予定です。
Source: Business Insider