まるで昨日着色したかのような鮮やかさ!手つかずの古代エジプトの墓が発見される

歴史
Credit:egyptian ministry of antiquities

エジプトのカイロ南部にあるサッカラ遺跡で非常に保存状態のよい墓が見つかり話題になっています。

まるで昨日着色したかのような鮮やかさの壁画は考古学者たちを驚かせました。

 

 

発見された墓は4000年以上前の紀元前25~24世紀頃のファラオである、Djedkare Isesi(ジェドカラー)に関連した人物の墓であると考えられています。

Khuwyと名付けられた高官が眠っていた墓は入り口がトンネル状になったL字型で、小さな廊下、前室、そして大きな部屋があり壁には彩色豊かな絵が刻まれていました。

また墓にはKhuwy自身のミイラと彼の臓器を入れた壺(カノプス壺-ミイラを作る際に死者の臓器を入れた壺のこと)も見つかりましたが、残念ながらこれらはバラバラになっていました。

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通常、墓の入り口のトンネルはピラミッドにしか見られない特徴であり、また鮮やかな壁画も王族の墓のためのものです。

Khuwyはファラオではないため、考古学者たちはこの人物が当時のファラオであったDjedkare Isesと何らかの関連を持っていたと推測しています。

今回のKhuwyの墓の発見は、4000年以上も前のファラオとその統治について新たな理解につながる可能性があります。

 


 

サッカラでは最近多くの珍しい墓が発見されていて、2018年の12月には今回の墓に似た非常によく保存された絵を含む私的な墓が発見されたり、2018年11月には珍しいスカラベのミイラを含む墓も見つかっています。

エジプト考古省は2011年に起きた国内のテロ事件以降観光客が激減していることから、こうした地道な発掘作業によってエジプトの魅力を世界に発信しようと取り組んできた経緯があります。

エジプトといえばピラミッドがすぐに思い浮かびますが、今回のような未発掘の遺跡の発見は、これまで関心を持たなかった人たちにもエジプトの魅力をアピールするものとなっています。

 

いまだエジプトの多くの遺跡には盗掘集団がいるということですが、古代エジプト人の残した芸術が1つでも多く世界の人々の目に触れられるようになることを願います。

 

 

References:CNN,Egyptian Ministry of Antiquities