全て偽物、米国聖書博物館に展示されている16の死海文書の断片

歴史
(Larry Koester/Flickr)

米国ワシントンにある聖書博物館は、展示品である死海文書の断片16点について詳細な分析を行った結果、その全てが偽物だったと発表しました。

このうちの5点については2018年の調査で既に偽物であることが指摘されていました。

美術品の詐欺を専門に扱う調査会社Art Fraud Insightsの調査リーダーであるコレット・ロール(Colette Loll)氏は、「すべてのイメージングと科学分析の結果から、聖書博物館の死海文書コレクションのテキスト断片が本物でないことは明らかだ」と述べ、展示されている死海文書の断片は本物を模倣して作られた偽造品であると結論づけています。

死海文書は約70年前に死海の近くにあるクムラン洞窟から発見された複数の断片からなる聖書の写本で、そのほとんどがエルサレムに保管されている一方、いくつかの断片はプライベート市場で高値で流通しています。

 

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オクラホマを拠点に全米に展開している工芸品チェーン「ホビーロビー」の社長であるスティーブ・グリーン(Steve Green)氏によって2017年に作られた聖書博物館は、今回偽物であると判明した死海文書の断片を含む、聖書にまつわるコレクションを多数展示しています。

展示品が偽物だったことについて博物館側は、「コレクションに関する真実を発見するために使われた洗練された高価な方法は、他の疑わしいものにも光を当てることができる」と述べ、むしろ古美術品市場にとっては良い結果であるとの姿勢をみせました。

2018年に一部が偽物であると指摘されて以降、展示物について科学分析を行ってきたグリーン氏は、今回の件についてコメントを出していません。

断片の収集にかかった費用については明らかにされていませんが、専門家はこれらが本物であれば数百万ドルの値がつくはずだとしています。

 

偽の死海文書がどのような経路で博物館にやってきたのかはわかっていません。

グリーン氏は2017年のインタビューでその出所について、「情報源はいろいろあるが、具体的にはわからない」と述べるにとどめています。

 

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偽物には本物の死海文書で使われている羊皮紙ではなく革が使われていました。

革は古代ローマ時代の靴からとられたものである可能性があり、また文字には死海地域で採れる鉱物の破片をまぶすなどの加工が施されていました。

さらに断片全体は本物の死海文書のような光沢を出すために、動物由来の接着剤でコーティングされていました。

Art Fraud Insightsは、「このような方法は全て、欺こうとする意図を持って行われたものだ」と説明しています。

 


 

 

しぐれ
しぐれ

流通している他の死海文書にも怪しいものがあるんだろうね

せつな
せつな

いくらで購入したんだろうか……気になる……

 

References:CNN

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