2000年前のファーストフード店 ポンペイで見つかった「テルモポリウム」

歴史
(Credit: Archaeological Park of Pompeii)

イタリアのポンペイ遺跡で発掘調査を続けているチームが、古代のファーストフード店とみられる遺構を発見しています。

 

ポンペイは西暦79年、ヴェスヴィオ山の噴火により灰に包まれ、多くの人が犠牲となりました。

18世紀以降進められている発掘調査は現在でも続いており、当時の文化や風俗を示す多数の遺物が見つかっています。

 

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ポンペイの大衆食堂「テルモポリウム」

 

イタリアのポンペイ考古学公園は、「テルモポリウム」と呼ばれる当時の食堂の跡を発見しています。

場所は路地が交差する開けたスペースで、灰の中からは、色彩豊かな絵が描かれた壁や、料理を入れる壺などが見つかりました。

 

 

なかでも考古学者の目を引いたのは、ギリシア神話に登場する海の女神「ネレイド」が描かれた壁です。

半裸の女神の絵は、この食堂が単に料理を提供するだけの場所ではなかった可能性を示唆するものです。

 

テルモポリウムは現代で言うところの大衆食堂のような店で、安く暖かい食事を求めて多くの人が訪れました。

またファーストフードのような軽食も扱い、店によっては売春の斡旋も行っていました。

艶やかな女神の絵は、客の目を引くために描かれたものと考えられます。

 

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店のカウンターの前方からは、「アンフォラ」と呼ばれる陶器の壺が見つかりました。

 

発見されたアンフォラ (Credit: Archaeological Park of Pompeii)

 

アンフォラは、水やワイン、料理などを入れるためのもので、保存や運搬にも広く利用されました。

壁のもう一つの絵には、料理人と思しき人物とアンフォラが描かれており、ここが食堂であることを見る人に伝えています。

 

発掘調査を監督した考古学者のアルフォンシーナ・ルッソ氏は、「日常生活に密接に関連する遺物は、私たちを噴火の悲劇的な瞬間に運ぶ」と述べています。

 

 

 


 

 

しぐれ
しぐれ

テルモポリウムはポンペイのあちこちにあったみたいだよ

せつな
せつな

半裸の女神……これはいかがわしい店に間違いない……

 

Reference: Archaeological Park of Pompeii