ソニーは19日、次世代機に関する技術講演を行い、PlayStation 5の詳細なスペックを公開しました。
新型ウイルスの影響で中止された開発者のための会議「GDC 2020」の代わりとして開かれた講演には、PlayStation 5のリードアーキテクトであるマーク・サーニー氏が登壇し、カスタムSSDの特徴を中心にハードの説明を行いました。
PlayStation 5の仕様についてはこれまでにいくらかの情報が出ていましたが、明確な数値を伴ったハードの詳細が明らかになるのは今回が初めてのことです。
PlayStation 5のスペック
PlayStation 5のカスタムSSD
マーク・サーニー氏は次世代のPlayStationのゲームを変革するのは、カスタムされたSSDであるとしています。
PlayStation 5のSSDの読み取り速度は1秒あたり5.5GBで、これはPlayStation 4が50~100MBであったのと比べ、けた違いの速さです。
サーニー氏は去年行われたインタビューのなかで、開発者が次世代機に望むものとして「ロード時間の短縮」を挙げていたと明らかにしています。
PlayStation 5のカスタムSSDは、テクスチャやワールドジオメトリなどの要素を高速でストリーミングすることで、ロード時間を大幅に短縮します。
講演ではPlayStation 5のCPUが、最大3.5 GHzの周波数を持つ8つのZen 2コアで構成されており、またGPUがこれまで以上に低消費電力で高速な、AMDのRDNA 2カスタムGPUであることが強調されました。
PlayStation 5のGPUのコンピュートユニット(CU)の数は、PlayStation 4の58基に対し36基しかありません。
この点についてサーニー氏は1ユニットあたりのトランジスタの数が異なるためであり、その処理能力はPS4と比べてはるかに効率的であると説明しています。
GPUのピークパフォーマンスは、最大2.23 GHzで実行されることで10.3テラフロップスになります。
Image: Sony Interactive Entertainment
PlayStation 5には拡張ベイを通して、既製のPCIe 4.0 M.2 SSDを装着することができます。
しかしドライブが内部のSSDよりも速くなくてはならず、また拡張ベイに収まる必要もあるため、対応する製品については後日ソニーが発表を行う予定です。
サーニー氏は発表時期は未定としながらも、「おそらくはPlayStation 5が発売された少し後になるだろう」と述べています。
PlayStation 5のTempest 3Dオーディオ技術
Image: Sony Interactive Entertainment
PlayStation 5はオーディオ面にも力を入れています。
「Tempest 3Dオーディオ技術」と呼ばれる独自の3Dオーディオ用のカスタムハードウェアユニットは、全てのユーザーがDolby Atmosなどの既存の規格にとらわれずに3Dオーディオを楽しめるように設計されています。
Tempest 3Dオーディオ技術がもたらす臨場感のある音は、頭部伝達関数(HRTF: Head-Related Transfer Function)として知られているメカニズムに基づいています。
この疑似的な3Dオーディオは人によって感じ方が異なるため、PlayStation 5にはあらかじめ5つの設定が用意されています。
ユーザーはヘッドホンやテレビスピーカーなどの手持ちの機器に応じた設定を選ぶことで、最適な3Dオーディオ体験を得ることができます。
PlayStation 4との互換性について
PlayStation 5はPlayStation 4用ソフトと互換性があります。
しかし現時点でどれだけのソフトが動くのかについては明らかにされていません。
ソニーは、PlayStation 5の発売時には、少なくとも現在人気のあるトップ100タイトルについては動作するだろうと説明しています。
互換タイトルを増やすための作業は今後も続けられる見通しです。
ソニーのPlayStation 5は2020年のホリデーシーズンに発売予定となっています。
The Road to PS5
Source: PlayStation.Blog,Polygon