今年のホリデーシーズンに発売されることが決まったマイクロソフトの新しいコンソール「Xbox Series X」には、しばらくの間専用タイトルが登場しません。
Xbox Game Studiosの責任者であるマット・ブーティー氏は英国のゲーム業界紙MCVとのインタビューの中で、Xbox Series Xで発売されるファーストパーティー産のゲームが、現行の機種であるXbox OneやXbox One Xでもプレイできると明かしています。
ブーティー氏はXbox Series XをPCゲームの環境になぞらえていて、今後1年から2年にわたって発売されるファーストパーティーのゲームは、どちらのコンソールでもプレイできると話しました。
マイクロソフトはXbox Series Xを単なる「Xbox」というブランドの製品の一つであるとしており、現在の携帯電話市場のように、数年後には新たな別のコンソールを追加する可能性があることを仄めかしています。
ブーティー氏は、消費者がたとえ現行のXbox Oneに投資したとしてもそれに価値を見出せるようにしたいと述べています。
新しいコンソールと共に発売されるタイトルが旧機種でもプレイできるというのは、現行のユーザーにとっては朗報です。
しかしこれは、ゲームが旧機種の性能を基準に作られてしまう可能性があることを意味します。
この点についてブーティー氏は、新しいコンソールの発売時に全ての機能を活用した1つか2つのIPを選択することが自分たちのアプローチであるとし、そのタイトルが「Halo Infinite」であり、制作チームである343 Industriesは“間違いなくSeries Xのための仕事をするだろう”と話しています。
またPCゲームの世界では10年前のゲームであっても現在のハード構成に適した表現が可能であることから、「XboxのエコシステムはPCゲームのようなものである」とし、新しいゲームがスケーラブルに設計されるようになることを改めて強調しています。
マイクロソフトの看板タイトルである「Halo」が新しいハードと同時に発売されるのは実に15年以上振りになります。
従来新ハードと同時に発売されるソフトはキラータイトルとしてハードの購入をけん引する役割がありました。
しかし新しいゲームが現行世代のハードでもプレイできれば、それは消費者の買い控えを招きます。
ブーティー氏はインタビューの中で、サブスクリプションサービスであるXbox Game Passに継続的にタイトルを供給するために、現在ファーストパーティーが精力的に作業していることを明かしています。
マイクロソフトは、新しいハードでしかプレイできないタイトルを作るよりも、現行のユーザーをGame Passのようなサービスで囲い込む方が安定的な収益につながると考えています。
ローンチ時に専用タイトルが存在しないXbox Series Xは、コンソールの新しい在り方を提示しています。
Source: MCV