UbisoftのWatch Dogsシリーズの最新作「Watch Dogs Legion(ウォッチドッグス・レギオン)」はこれまでの2作と違い、特定の主人公が存在しないことで話題となっています。
独裁国家となったイギリス政府に立ち向かうため、プレイヤーは登場する全ての市民の中からハッカーをスカウトし彼らを操作していきます。
スカウトする市民にはそれぞれハッカー向きか戦闘向きかなどの特性があり、プレイヤーはそれらを組み合わせることで好みの“軍団”を仕立て上げることができます。
市民が主人公になる、というコンセプトのWatch Dogs Legionですが、気になるのは操作している市民が死亡した場合です。
前作までは主人公の死亡はそのままゲームの終了を表していましたが、今作にはいわゆるゲームオーバーという概念がありません。
これについて先日開催されたイベントUbisoft Experienceでアートディレクターであるジョシュ・クック氏が話し、今作には戦術的な選択肢として「Permadeath(パーマデス)」が取り入れられていることを明かしています。
パーマデスとは読んで字のごとく、一度死んだキャラクターが二度と復活しないシステムのことです。
クック氏はパーマデスのシステムについては議論があるとしながらも、個人的にはそれを愛していると語ります。
それは戦術的な選択です。降伏しないことを選択した場合、あなたの工作員は危険にさらされることになります。彼らが死んだ場合それは二度と戻ってきません。
クック氏はプレイヤーの選択肢によっては市民が死んでしまうが、それはゲームを非常にエキサイティングにする要素でもあると強調しました。
同氏はパーマデスが、リスクと報酬を天秤にかけるという意味でプレイヤーに多くの選択を迫るシステムであり、それがゲームに刺激的な瞬間をもたらすだろうと述べ、“個人的に”と断りを入れながらもパーマデスは素晴らしいアイデアであると語っています。
前作までのウォッチドッグスにおける市民のデータは世界観を補完するための単なる情報の破片でしかありませんでした。
しかし今作は市民の全てを操作できるという点で、これまでとは違い関心や愛着の度合いが異なってきます。
ゲームの進行によっては、プレイヤーは自分が育て上げた市民を犠牲にするか否かという苦渋の判断を迫られることになります。
クック氏が言う“戦術的な選択”がゲームの進行にどのような影響を及ぼすのかについてはまだ不明な部分もありますが、これまで自由に動くマネキンに過ぎなかったNPCに深みを与えるという点で、パーマデスの導入は非常に興味深いものといえそうです。
Watch Dogs Legionは2020年3月6日に、PC、PS4、Xbox One、Google Stadia向けにリリースされる予定となっています。
References:wccftech