SIEのショーン・レイデン氏がPSゲームの今後について語る

ゲーム

SIEワールドワイドスタジオのヘッドであるショーン・レイデン(Shawn Layden)氏はCNETとのインタビューでPSゲームの今後について語りました。

ゲームを発売するスパンや、ストリーミングサービスのこれから、そして今年のE3に不参加の理由などが含まれています。

 

品質を高めるためゲームの発売を遅らせている

 

©Sony Interactive Entertainment LLC. Developed by Bend Studio.

 

インタビュアーは昨年の大作と呼ばれたゲーム(Fallout76やBattlefield5)が消費者にとって歓迎されなかった例をあげ、ゲームの開発がこれまでにも増して難しい局面になってきているのではないかと問いかけます。

 

現在13の開発スタジオのヘッドとしてゲームを高品質に保つ仕事に専念しているというレイデン氏は、PSの独占ゲームを常に最高水準に保つ必要があるとし、上で挙げたようなゲームが陥ったワナを避ける計画があると語りました。

レイデン氏は品質を保つためにゲームの発売を遅らせることを選んでいます

 

彼は自分の仕事が高品質のゲームを作りファンをPlayStationに引き付けておくことだと理解していると言います。

去年のゲームオブザイヤーに輝いたGod of Warやスパイダーマンなどの独占ゲームの評価はそれを物語っています。

そしてThe Last of Us Part 2やGhost of TSUSHIMA、Days Goneなどの独占ゲームがプレイヤーにとって魅力的なものになることを約束しています。

 

 

インタビューでは次期ハードについての話は出なかったものの、マイクロソフトやグーグルなどが計画しているストリーミングサービスの未来や、ゲームメーカーの買収についても質問が及んでいます。

 

PSゲームの今後やストリーミングサービス、E3の不参加などについて

 

以下は質問に対してレイデン氏が答えたものの要約です。

 

――現在Fortniteを筆頭にバトルロイヤルゲームが主流になっている現状について。

バトルロイヤルのジャンルには入りたくありません。世界は既に必要とされる全てのバトルロイヤルゲームを手に入れたと思います。

 

――どのゲームメーカーを買うのかをどのように決めているのか?

我々は常に機会を模索しています。得意とする分野で意味があり面白いと思ったパートナー、チーム、またはゲームを見つけたならばそれを取り入れたいと思っています。

 

©2019 Sony Interactive Entertainment Inc.

 

――VRやモーションコントローラーについて。

チームが未来に焦点を合わせるための3原則があります――それはFirst,Best,Mustです。
ジャンルの最初となるようなゲームをつくること。最高であること。必要とされなければならないということ。
それらは新しい技術が登場したときにそこに存在していなければなりません。

 

――AppleやGoogle、Amazonなどがゲーム業界に参入しようとしていることについて。

それはゲームが存在し続けるという確約です。劇的に成長している娯楽の世界に彼らが入ってくることで、さらに刺激され興奮をもたらすものになるでしょう。

 

――ストリーミングでのゲームプレイとコンソールについて。

ストリーミングでのゲームプレイは特定の地域(回線が良好の地域)の人々にとっては興味を持たせるものになるでしょう。
しかし大多数の人たちのPS4とローカルコンソールにはまだ多くの寿命が残っていると思います。

 

 

――今年のE3に不参加の理由は?

1995年のE3は小売り業者とジャーナリストにとってとても有益でした。当時はゲームが目新しいものでインターネットもありませんでした。しかし今は違います。

私たちは2月にDestination PlayStationというイベントを開催してそこで小売り業者やサードパーティーが年内の販売について話し合います。E3の開かれる6月にクリスマス商戦について議論するのでは遅すぎるのです。

またジャーナリストはインターネットのおかげで24時間365日情報を収集できます。
世界は変わりましたがE3は必ずしも変わったわけではありません。

さらに私たちがゲームの発売を遅らせていることもあります。E3に出ていけばファンは期待を感じるでしょう。

 

レイデン氏はE3を今までのような単なるゲーム発表の場ではなく、もっとファンに近いものにできないかどうか話し合いをしているということです。

 

 

 


 

ざっとレイデン氏のインタビューを見てきましたが、現在のゲーム業界を取り巻く事情について冷静に判断していることがその答えからうかがわれます。

ゲームの発売を積極的に遅らせているというのはなかなかの驚きですが、それだけ独占タイトルがPSというプラットフォームにとって重要であることの証なのだと思います。

またE3に不参加の理由の一つにファンを期待させないためというものがありましたが、ネット社会での情報の賞味期限を考えれば納得の選択肢かもしれません。

 

一方でマイクロソフトや任天堂はE3への参加を表明しています。

来年に新ハードの登場が噂されているなか今年のゲーム業界がどのような動きを見せていくのか目が離せません。

 

 

Source:CNET