年の始まりは、一年の目標を立てるのにふさわしい時期です。
しかし全ての人が思い描いた未来に到達するわけではなく、短期間で目標を変更したり断念してしまう人もいます。
目標の達成には、能力ややる気以外にも、様々な要素が関わってきます。
スウェーデンの研究者は、一年にわたって1000人以上を追跡し、目標と成果との間にある関係性を調査しています。
一年をより良い年にできるかどうかは、問題にどう対処するかにかかっています。
目標の達成率は問題への取り組み方によって変わる
ストックホルム大学の心理学者チームは、年初に立てた目標がどれくらいの割合で達成されるのかを知るため、大規模な追跡調査を行っています。
研究には18歳以上の1066人が参加しました。
ボランティアは新年の目標を立てたうえで、三つのグループに分けられました。
一つ目のグループは、本人のみで問題に取り組みました。
二つ目のグループは、家族や友人などのサポートを得ながら、毎月研究者からアドバイスを受けました。
三つ目のグループはさらに具体的なアドバイスを受け、また目標達成のために段階的なアプローチをとり、定期的に進捗状況を報告しました。
新年に立てた目標で一番多かったのが「身体的健康 (33%)」で、以下「減量 (20%)」、「食生活の改善 (13%)」、「個人的な成長 (9%)」、「精神的健康および睡眠 (5%)」と続きます。
一年後、最も多く目標を達成したのは、二番目のグループでした。
一方、途中で挫折した人が多かったのは、助言を受けられなかった一番目のグループでした。
三番目のグループは二番目のグループと大きな差はありませんでしたが、自己評価が低い傾向にありました。
これは目標達成のためにしなければならないことが多すぎたためだと考えられます。
この結果は、目標への道のりが長い場合、他者のサポートを受けつつ、適度に現状を見直す必要があることを示しています。
問題への対処の違いが、結果を大きく左右することも明らかになっています。
問題に直面したとき、それを避けようとする人よりも、受け入れながら少しずつでも成長する人のほうが、目標の達成率が高くなりました。
例えば体重を減らすためにお菓子の摂取を減らしたい場合、強引にやめるのではなく、果物に徐々に変えていくなどの方法をとれば、モチベーションを維持しやすくなります。
参加者の一年後の自己評価では、ゴールに向け積極的なアプローチをとった人の58.9%が目標を達成できたと報告しました。
一方、問題を回避する傾向がある人の達成率は47.1%でした。
調査を行ったストックホルム大学のペール・カールブリング氏は、「参加者に与えられたサポートの違いは目標達成にそれほど影響はなく、より重要なのは、決意をどのように表現するかである」と述べています。
研究結果はPLOS Oneに掲載されました。

大きすぎる目標を立ててもなかなかうまくはいかないようだな

途中で成長を実感できないと難しいのかも
Reference: ScienceAlert