米国マサチューセッツ州に住む54歳の男性が、リコリスのキャンディーを食べた後に亡くなりました。
The New England Journal of Medicineに掲載された報告によると、男性はファーストフード店で昼食をとっている最中に倒れ、そのまま意識を失い病院に運ばれました。
救急医療関係者は、この男性が心室細動に陥っており、血液を全身に送れない状態であることを確認しました。
男性は心肺蘇生法を受け一時的に意識を回復したものの、病院に到着してから32時間後に亡くなりました。
男性には毎日1~2袋のキャンディーを食べる習慣がありました。
家族の証言によると、男性は数週間前から、それまでのフルーツ風味のキャンディーではなくリコリスキャンディーを食べるようになっていました。
リコリス、別名スペインカンゾウは、根っこの部分に甘味成分であるグリチルリチンが含まれており、お菓子や飲料製品の味付けに広く利用されています。
しかしグリチルリチンには体内のカリウムレベルを低下させる働きがあり、大量に摂取すると高血圧や不整脈を引き起こす場合があります。
男性にも、カリウム濃度の極端な低下がみられました。
今回の症例について米国食品医薬品局(FDA)に報告をした、マサチューセッツ総合病院の心臓専門医であるニール・ブタラ博士は、「少量のリコリスを食べるだけでも血圧が上昇する可能性がある」と述べています。
FDAは、「1日2オンス(約56グラム)のリコリスを2週間食べた場合、特に40歳以上の人は、不整脈で病院に運ばれる可能性がある」と警告しています。
グリチルリチンの摂取量の上限は国によって異なり、日本では1978年に「1日200ミリグラムまで」と定められましたが、2016年に撤廃されています。
リコリスのお菓子は独特の風味で好き嫌いが分かれるよね
どれだけ好きなお菓子でも食べ過ぎには注意だね
References: LiveScience,Associated Press News