中国四川省にある料理店が、早食いコンテストを主催した疑いで当局の調べを受けていたことがわかりました。
中国のニュースメディアによると、四川省の宜賓(ぎひん)にある中華料理屋は、108個のピリ辛ワンタン(紅油抄手)を一番早く食べた客に、食事代と副賞を贈呈するという内容の「king of big stomach challenge (大食い王)」なる企画を開催しました。
店はこの企画をSNSを使って宣伝しましたが、これが国家市場監督管理総局の目にとまり、同じような早食いコンテストを予定していた他の数店舗と共に調査を受けているということです。
企画が当局の監視にひっかかった背景には、2021年に制定された「食べ残し禁止法案」があります。
この法案は、暴飲暴食をSNSでライブ配信していたブロガーたちに対する政府の批判から生まれたもので、料理店のオーナーは「客に食品の過剰な消費を促すような宣伝をしたり、または誤解をさせたりした場合」、最高で1万元(約20万円)の罰金を科される可能性があります。
またテレビ局やラジオ局、オンライン配信業者などが同様の行為をした場合、さらに10倍の罰金が科されます。
中国のシンクタンクによる調査では、都市部での飲食店の食品廃棄は年間1700~1800万トンに及びます。
この量は3000~5000万人が一年に食べる量に相当します。
中国の習近平国家主席は、近年の食料輸入の不安定さを踏まえ、「食糧安全保障には常に危機意識を持たなければならない」と発言しており、飲食店やスーパーは徹底した食品管理を求められるようになっています。
一方、中国のネットユーザーの一部は、今回の当局の動きに対し批判的な声を挙げています。
中国版Twitterであるウェイボーには、「大食い競争は消費ではないのか?」、「そこで消費されなかった食べ物は実際に貧しい人の手に届くのだろうか?」といった声のほか、過去の食品スキャンダルである地溝油(闇市場で流通している粗悪な油)や汚染された粉ミルクなどを引き合いに出し、「食の安全を規制しなかったくせにこれは取り締まるのか?」といった意見が見られました。
早食い競争すると食べ残す人も出てくるから、当局の調査も間違ってはいないよね
お店は食べ残した客から食品廃棄の費用を徴収できるようになってるみたいだよ
Source: CNN