子供の食事の傾向はその後の人生にも大きな影響を与えるため、世の親たちは、いかに子供に健康的な食事をさせようかと日々頭を悩ませています。
栄養バランスのとれていない食事習慣は、子供の成長と発達だけでなく、歯や体重といった健康の指標にも悪影響を与えます。
親の誰もが子供の好き嫌いを矯正しようとしますが、新しく発表された研究によると、子供たちの食習慣を変えたければ、口で厳しく指摘するよりも一緒になって料理番組を見た方が効果的です。
料理をしたり料理番組を見たりすることで子供の食の傾向が変わる
Journal of Nutrition Education and Behaviorに掲載された研究では、10歳から12歳までの子供125人に、子供向けに作られた料理番組を10分間見てもらい、その後与えられたおやつに何を選ぶのかを調査しました。
番組は2つあり、1つは健康的な食材――トマト、タマネギ、芽キャベツ、果物や野菜――を使った料理を紹介し、もう一方は、ハンバーガー、フライドポテト、マヨネーズ、クロワッサンなどのあまり健康的でない食べ物を中心とした料理を紹介しました。
子供たちはどちらかの番組を見た後、果物や野菜を含む様々なおやつの中から好きなものを選び、それを報告しました。
その結果、健康的な食べ物が出てくる番組を見ていた子供たちの41%が、リンゴやキュウリのスライスといった健康的なおやつを選びました。
一方であまり健康的でない食べ物が出てくる番組を見ていた子供たちは、スナック菓子などの不健康なおやつを選ぶ傾向にあり、果物や野菜を食べたと報告した割合はわずか20%でした。
研究者は結果について、料理番組は食べ物を視覚的に表示することでその食べ物への渇望を誘発し、実際の摂食行動を促すと説明しました。
また子供たちと一緒に料理をしたり、食べ物についてポジティブな言葉を使うなどの工夫を取り入れることで、子供がより健康的な食品を選ぶよう教育することができると述べています。
研究著者の一人である、オランダのティルブルフ大学のFrans Folkvord助教授は、「子供は親が何を作っているのか、何を食べているのか、どのように調理しているのかを見ている」と述べ、子供が親の行動をモデルに食への接し方を決めていると指摘します。
そして一緒に料理番組を見たり料理を作ったりすることは、意識的に子供の摂食行動に影響を与えることができると話しました。
一部の子供たちは、特定の食べ物や新しい食材について恐怖心を抱く場合があります。
親はこれらの食べ物を健康的であることを理由に無理やり食べさせようとしますが、それはしばしば逆効果になります。
米国スタンフォード大学の健康教育センターのディレクター、マヤ・アダム博士は、子供たちの食べ物への印象を良くするために、親の発言が規範的だったり制限的であったりする必要はないと述べます。
博士は、砂糖を食べてはダメとかお菓子を食べることは許されない、などと言うのは効果的ではなく、あのブロッコリーを食べてみた?などのような会話をすることで、子供たちに、健康に有益な食べ物の価値を教えられると話しました。
また子供たちに、「あなたは特別な存在であり、可能な限り最高の栄養で維持される価値がある」ということを伝えるべきだと勧めています。
たしかに料理番組を見るとおいしそうで食べたくなっちゃうよねー
食べ物のいいところを一緒になって見つけていくのが効果的なんだね
References: CNN