同年代がターゲット ジャンクフードを宣伝する子供YouTuberと企業の戦略

雑ネタ
(Igor Starkov/Unsplash)

アメリカの公衆衛生の専門家は、YouTubeの若いインフルエンサーに関する調査を行った結果、子供たちがこれまで以上にジャンクフードや甘いものを欲しがるようになったと報告しています。

 

YouTubeにはお菓子やおもちゃなど、子供が欲しがる商品を頻繁に紹介するチャンネルが無数にあります。

インフルエンサー(YouTuber)のなかには、数百万から数千万の視聴者をもつ配信者もおり、彼らは商品を売り込みたい企業の広告塔となっています。

新しい研究は、YouTubeを視聴している子供たちが、企業の広告に無防備にさらされていることを明らかにしています。

 

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子供のインフルエンサーは巧みに商品を宣伝している

 

ニューヨーク大学の公衆衛生学の教授であるマリー・ブラッグ氏たちの研究グループは、2019年にYouTubeで最も視聴された5人の若いインフルエンサーの動画を分析しています。

5人の年齢は3歳から14歳までで、いずれも自身のチャンネルに多くの視聴者を抱えています。

研究者は、それぞれの動画の中から、おもちゃで遊んだりジャンクフードを食べたりするシーンの回数と合計時間を記録しました。

条件に該当する動画は418本中179本で、このうちの90%でファーストフードなどの不健康な食品が宣伝されていました。

これらの動画は5人の合計で10億回以上再生されています。

 

現在食品の広告は、テレビだけでなく、SNSやインターネットの動画上にも現れるようになっています。

しかし研究者が懸念するのは明らかにそれとわかる広告ではなく、インフルエンサーを使った宣伝手法です。

ブラッグ氏は、「YouTubeで最も人気のある18歳未満のホストが直接商品を宣伝し、子供たちはそれに夢中になっている」と述べ、「教育的または子供向けと思われる動画であっても、親はインフルエンサーを懐疑的に見るべきだ」と指摘しています。

 

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動画の宣伝効果はテレビよりも大きい

 

(CardMapr/Unsplash)

 

視聴者に商品を売り込む宣伝手法の一つに、番組内のキャラクターが商品を紹介する「ホストセリング (Host-selling)」があります。

この手法は、番組に好意的な視聴者に特定の商品を買わせることができます。

しかし企業が宣伝する商品の全てが、消費者にとって良いものとは限りません。

購買意欲を刺激しすぎるホストセリングは、アメリカのテレビでは禁止されていますが、インターネット動画での規制はありません。

ブラッグ氏は、「親は、動画の中の子供がチキンマックナゲットを宣伝しているとは思ってないかもしれない」と述べています。

 

子供たちが食べるものはその時の健康だけでなく、後年の病気の発生にも少なからず影響を及ぼします。

過去の研究では、子供時代の食生活が、後の肥満や心血管疾患、2型糖尿病の遠因になる可能性が指摘されています。

YouTubeを視聴している子供たちは、動画に出てくる同年代のインフルエンサーが、商品を売るために報酬をもらっていることを理解していません。

子供を広告から守る活動をしている非営利団体「Campaign for a Commercial-Free Childhood」のジョシュ・ゴリン氏は、「幼い子供は動画のスターを仲間や友人とみなしている」と述べ、開封動画やその他のインフルエンサーの動画について「子供たちに見せるべきではない」と強調しています。

団体の調査によると、子供たちはテレビのコマーシャルよりも動画を見た後に商品を欲しがり、また親に買ってもらえない場合に癇癪を起こす確率も動画のほうが高くなりました。

 

研究結果はジャーナルPediatricsに掲載されています。

 


 

 

しぐれ
しぐれ

ホストセリングは日本では規制がないみたい

ふうか
ふうか

YouTubeはいろんな意味で子供に大きな影響を与えるようだな

 

 

 

Reference: CNN