知らないことは素直に知らないと言おう:知的な謙虚さは有益であるという研究結果

雑ネタ
Image by t_watanabe from Pixabay

本当はそんなに知らないのについつい調子にのって何でも知っているかのように振舞ってしまう……そんな経験はありませんか。

別に知らなくても命に関わるわけでもないのになぜか恥ずかしく負けたような気がして知ったかぶりをしてしまう、どこかで聞いたような話です。

“聞くは一時の恥”などといいますが、わからないことを認めそれを聞くことができる人は――恥でもなんでもなく――素晴らしい人です。

そうはいってもなかなか自分の間違いや未熟さを素直に認めることができないのが人間というものです。

 

新しい調査によると、自分の知識や見解が正しくないと認めることができる人は、実際にはもっと知識が豊富な人です。

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知らないことを認めない態度はその人の知識の習得に影響を与える

 

カリフォルニア州ペパーダイン大学の心理学者で研究著者のElizabeth J. Krumrei-Mancuso氏が行った新しい研究は、人間の知的さと謙虚さの概念を検証しています。

 

人間は知らないものに直面したとき大まかに2種類の行動をみせます。

1つは知らないことを率直に認めること、もう1つは知っているふりをしてやり過ごそうとすることです。

 

Krumrei-Mancuso氏は知らないことを認めない自信過剰な態度は、その人の持つ知識にとって問題となる可能性があると述べます。

これは自分の知識が確かであると確信することで実際にはあいまいな証拠から決定的な結論を導き出す傾向があることを示唆します。

 

そうした個人は自分の認識論的信念に合わせて情報を歪める傾向があり、それが情報の解釈や知識の習得に影響を与える可能性があります。

 

Krumrei-Mancuso氏によると、知的に謙虚である人が他人に対してオープンであるのに対し、自信過剰な人は他人を弱いとみたり他人が自分の考えを操作しようとしていると考える傾向があるといいます。

 

知的な謙虚さは新しい知識への第一歩

 

研究では1200人の参加者に一連の質問に答えてもらい、その際の態度を特別な尺度を用いて評価しました。

この尺度は、知的優位性に対する態度の評価と、他者からの学習に対する開放性の評価で構成されています。

 

研究結果は、知的に謙虚であることが人々の知識獲得能力に複合的な影響を与えることを示しました。

また知的に謙虚であることはその人の問題解決能力(流動性知能)とは無関係であることもわかりました。

 

一般的に知能には“結晶性知能”と“流動性知能”の2つがあります。

結晶性知能はこれまでの経験や知識が土台となったもので加齢による低下がないとされています。

流動性知能は加齢による低下が認められるもので、思考力や計算力などに関係し問題に直面したときや新しいアイデアを生み出す際に使われます。

 

この事実は、知的に謙虚な人は自分の持っている知識を正当に評価し新しい知識を蓄積していくことに積極的であることを示しています。

そして流動性知能と関わりがないということは、その人の資質や適性とは関係なく誰でも知的な謙虚さを持つことができるということです。

 

Krumrei-Mancuso氏は「知らないことを知ること、そしてそれを認めることを厭わないことは新しい知識を探すための第一歩かもしれない」と語っています。

 


 

人は年齢を重ねると頭が固くなるといわれますが、それはこれまで蓄積してきた知識に対して少なからず自信と信頼があるからです。

例え間違っているとわかっても、長い間に培われた自分の知識への信頼はなかなか崩れることはありません。

自分の知識を根底から揺るがすような知識を前にしたときどう対応するのか……今回の研究はその時の態度一つで結果が変わることを示唆しています。

 

Krumrei-Mancuso氏が言うように“知的な謙虚さ”は新しい知識への扉です。

知らないことがある、というのは恥でもなんでもなくまだ見ぬ新しい世界への扉だと考えれば他人からの指摘もありがたいものになります。

知的な謙虚さを持つことで、世の中の知られていない楽しいことや面白いことに貪欲であり続けたいものですね。

 

 

References:ScienceAlert

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