火星探査機インサイトが火星の地震“マーズクエイク”の音を初めて観測

宇宙
Credits:NASA/JPL-Caltech

NASAの火星探査機インサイトが火星の地震の音を初めて記録しています。

インサイトは2018年11月26日に火星に着陸し、計器のチェックや調整を経た後の12月に、地震計SEIS(Seismic Experiment for Interior Structure)を設置し、火星の内部からの音や振動を記録するミッションをスタートさせました。

インサイトはこれまでの探査機とは違いミッション期間中はずっと同じ場所にとどまり、地上や地中の火星の動きを観測することを目的としています。

火星の内部に動きがあることがわかれば惑星の成り立ちについての理解を得ることができます。

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SEISは最初に3月14日、次に4月6日、そして4月10日と4月11日に地震信号を捉えました。

なかでも4月6日(火星日128日目――火星の1年は約687日)に検出された音はSEISの成果を期待していた科学者たちを興奮させました。

 

First Likely Marsquake Heard by NASA's InSight

First Likely Marsquake Heard by NASA’s InSight

 

SEISのチームリーダーであるPhilippe Lognonné氏は、SEISからの合図を何か月も待っていたと語ります。

 

火星が地震活動をしていることを証明できたのはとてもうれしいことです。それらを分析し詳細な結果を共有することを楽しみにしています。

 

火星における地震は地球のそれとは異なります。

地球の地震は大陸のプレート同士がぶつかりそこにできるひずみによって生じます。

しかし火星にはプレートが存在しません。

火星における地中の振動は冷却と収縮の継続的なプロセスによって引き起こされるものです。

これは時間とともに力を増大させ地殻を破壊するのに十分なほど強くなると考えられています。

 

今回SEISが記録した火星の地震(マーズクエイク)の音はとても小さいものです。

地球で同じような動きが地中で起きたとしても計測機器は反応すら見せないほどのものです。

しかしこれは火星科学者にとって大きな一歩になります。

NASAのJPL(ジェット推進研究所)のインサイト主任研究員Bruce Banerdt氏は、今回の記録は正式に“火星の地震学”という分野の始まりを告げるものだと語っています。

 


 

火星日128日目に記録された最も大きい信号Sol128でさえ、火星の内部を推測するには小さすぎるデータでした。

NASAの公開した上の映像にはSol128の音が記録されていますが、正直なところ専門家でなければただのノイズだと思ってしまうほど微妙なものです。(それでも映像内の音声は聞き取りやすいように加工されています)

しかし今から50年前のアポロ計画において、月に設置した地震計から記録された音も今回のSol128と非常によく似たものでした。(月も火星と同じくプレートを持っていません)

アポロ計画は1969年から1977年の間に月面に設置した地震計から数千もの動きを測定しています。

それらは月の構造についての理解を深めるのに大きな役割を果たしました。

Sol128のか弱い信号も、この先得られるであろうSEISのデータと合わせることで、火星の構造についてより深く知るための重要なデータとなり得ます。

 

アメリカはアポロ計画以後月に人を送っていませんが、2024年までに再び宇宙飛行士を送る計画を立てています。

NASAはそれが最終的に火星に人を送るための基盤を作るものになるとしています。

 

 

火星に人類が向かうのはしばらく先のことですが、今回の火星からの新しいデータは火星だけでなく地球や太陽系の形成について新しい知識を提供することでしょう。

 

 

 

Reference:NASA

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