Googleは3月19日に行われたGDCの基調講演でかねてより噂されていたクラウドベースのゲームプラットフォームを発表し、本格的なゲームビジネスの参入に名乗りをあげました。
Googleが発表したゲームプラットフォーム「Stadia」は専用のコンソールを必要としない完全なクラウドベースのサービスです。
PCのブラウザはもちろん、テレビ、モバイル機器、タブレットなどインターネットを経由するあらゆるデバイスでアクセスすることができます。
ゲームを中断した後に別のデバイスからアクセスすることも可能で、全てのゲームデータは200か国以上の国に張り巡らされている光ファイバーケーブルを通して瞬時に手元のデバイスへと送られることになります。
GoogleのMajd Bakar氏は、StadiaはHDRと4K解像度、そして60fpsでストリーミングできると語り、将来的には最大8K、120fpsのフレームレートを可能にするとしています。
講演では昨年テストプレイされていたUbisoftのAssassin’s Creed Odysseyに加え、より素早い反応が必要なid SoftwareのDoom Eternalが披露されました。
発表によるとデータセンターで使用しているGPUはAMDの最新のもので、10.7 TFLOPものパワーを持っています。
(ちなみにPS4は4.2TFLOP、XboxOneXは6.0TFLOP)
またUnreal Engine 4とUnityもサポートしており、id SoftwareのMarty Stratton氏によると、Doom Eternalはすでに4K、HDR、60fpsを実現しているということです。
噂されていた専用のハードウェアの発表はありませんでしたが、「Stadia Controller」とよばれる専用のコントローラーが発表されています。
(既存のコントローラーでもゲームプレイは可能)
これはPS4のものに似た伝統的なゲームパッドですが、独自の機能としてYouTubeに接続するためのボタンとGoogleアシスタントのボタンがついています。
YouTubeボタンは自分のゲームプレイを記録して共有するためのもので、Crowd Playとよばれる機能を使うことで直接ストリーミング配信したり、視聴者をセッションに加えたりといったことが可能になります。
またGoogleアシスタントボタンはゲームに行き詰った際に内蔵マイクにアクセスしアドバイスを得ることができるということです。
その他気になるポイントなどを。
クロスプレイに関して
しかし現時点ではどのコンソールが対応しているのかは明らかになっていません。
Stadiaに独占ゲームはある?
将来的にはここから独占ゲームが提供される予定です。
Stadiaではどんなゲームがプレイできる?
発表にはBethesda、Ubisoft、Take-Two、Q-Games、Tequila Worksが参加しました。
Stadiaはいつから利用できる?
Stadiaの価格は?
ざっとGDCでの発表内容について見てきましたが、実際の動きや操作性を体験しないとなんとも言えない部分もあります。
講演後にStadiaを実際にプレイしたGameSpotの記者によると、Assassin’s Creed Odysseyのような素早い反応速度を必要としないタイトルに関しては快適だったものの、FPSタイトルであるDoomに関しては入力の遅れが発生し、思ったようなプレイができなかったことを伝えています。
また記者はGoogleのスタッフからデモのStadiaが低レイテンシモードであることを告げられたと述べていて、入力の遅延に関してはまだ課題が残っているという印象でした。
(レイテンシは低いほど遅延が少ない――低いにも関わらずDoomでは遅延があったということ)
クラウドを使ったゲームサービスはGoogleが初めてというわけではありません。
しかしGoogleのゲーム事業への参入は、ソニー、マイクロソフト、任天堂の3すくみ状態をかき回し、ユーザーに新たな選択肢を与えるという点で大きな意味があります。
クラウド特有の遅延といった問題も存在していますが、ITの巨人Googleが今後どのようにゲーム業界に刺激を与えていくのか、また他のハードホルダーがどのように反応していくのか目が離せない展開になりそうです。
Introducing Stadia from Google