イギリスの国民保険サービス(National Health Service-NHS)は18日、子供たちをギャンブル中毒にするとして、ゲーム開発会社にルートボックス(日本でいうところのいわゆる“ガチャ”)を禁止するよう求めました。
これはNHSが新たに開設する14のメンタルヘルスクリニックの発表に併せて、NHSのディレクターであるクレア・マードック氏が提言したものです。
マードック氏は、「率直に言ってどの会社も、ルートボックスに賭けることを教えることで、子供たちを中毒になるように仕向けるべきではない」と述べ、企業に対し具体的な対策をとるよう訴えました。
報告では、FIFAなどのゲームで若者がルートボックスのために大金を失っている例や、最近の調査で若者の半数以上が、ゲームをプレイすることがギャンブルにつながると考えているというデータなどを挙げ、企業にルートボックスを採用しないよう求めています。
ルートボックスは子供たちを将来ギャンブル中毒にさせる
英国ギャンブル委員会の調査では、現在イギリスの子供55,000人がギャンブルに関する問題を抱えており、NHSは国内に推定40万人の深刻なギャンブル中毒者がいると見込んでいます。
ルートボックスの問題が取り沙汰されるようになってから、子供を持つ親たちは問題の深刻さにようやく気付き始めていますが、親を対象にした調査では、86%の親は子供が18歳以上を対象にしたゲームをプレイしても問題ないと考えています。
分別のつく大人でさえ中身がランダムに変化するルートボックスに多額のお金をつぎ込んでいることから、NHSは、子供たちがルートボックスに触れることは将来的にギャンブル中毒を招くことにつながると警告しています。
現在英国ギャンブル委員会の分類では、ルートボックスは正式なギャンブルに指定されていません。
これはルートボックスで得られたものを換金することができないためです。
しかし強力なアイテムやレベルの高いキャラクターがいるアカウントは、インターネットを通して売買されているのが現状です。
英国の公的機関、英国児童委員会(Children’s Commissioner for England)のアン・ロングフィールド委員長は昨年、ルートボックスをギャンブルに含めるよう当局に要請しています。
委員長は「子供たちはルートボックスを買うときにギャンブルをしているのではないかと心配している」と述べ、FIFAなどのルートボックスをギャンブルの一種として分類するよう政府に求めました。
NHSのマードック氏は、「ルートボックスは子供に販売するべきではなく、それらは終了するべきだ」と述べ、企業に対し次のような具体策をとるよう提案しています。
NHSで最初となる、ゲーム中毒を治療するためのクリニックの初代所長を務めているヘンリエッタ・ボーデン-ジョーンズ博士は、「現在親や専門家に大きな懸念を引き起こしている、ゲーム産業製品に対する法的規制を導入することに全面的に賛成する」と述べたうえで、若者やゲーマーが有害な製品にさらされないようにするためには、証拠に基づいたアプローチが必要になるだろうとの認識を示しました。
ルートボックスはどこの国でも問題になってるんだね
ただのデータなのにどうしてそんなにお金をつぎ込んじゃうんだろう?
調査によると見栄も大きく関係しているとか……みんな誰かにスゴイと言ってもらいたいのかも……
Source: NHS