長時間のゲームプレイは幸福感につながる 「あつまれ どうぶつの森」と「Plants vs. Zombies」での調査結果

ゲーム
(Credit: Nintendo)

英国オックスフォード大学の研究者は、3000人以上を対象に行った調査の結果、長時間のゲームプレイには人を幸せにする効果があると報告しています。

 

世界中で外出が推奨されない状況が続くなか、たくさんの人が家でビデオゲームを楽しむようになっています。

ゲームのプレイ時間に関する過去の研究は、その多くがマイナス面を強調し、特に若い人が夢中になりすぎることに対し慎重な見方をしています。

新しい研究は、現代のゲームがメンタルヘルスに役立つことを明らかにしています。

 

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ゲームプレイによる幸福感のカギはオンライン要素

 

オックスフォード大学の心理学の教授であるアンドリュー・プシュビルスキー氏の研究チームは、長時間のゲームプレイがメンタルヘルスに与える影響について知るため、現在人気の2つのタイトルを使って調査を行っています。

 

対象となったゲームはEAの「Plants vs. Zombies:ネイバービルの戦い」と、任天堂の「あつまれ どうぶつの森」の2本で、調査には18歳以上の3274人が参加しました。

参加者はゲームをプレイした時間や、何を感じたかなどの質問に答えました。

またEAと任天堂も調査に協力し、プレイ時間やゲーム内の行動などのデータを提供しました。

これらのデータは、プレイヤーの自己申告を客観的に検証するのに役立ちました。

調査は8月と9月にかけて行われ、「Plants vs. Zombies:ネイバービルの戦い」は518人、「あつまれ どうぶつの森」は2756人がプレイしました。

 

(Credit: Electronic Arts)

 

分析の結果、これらのゲームには、プレイヤーの感情をポジティブにする力があることがわかりました。

多くのプレイヤーはゲームに時間をかけるほど、楽しさや幸せな気分を味わいました。

特にゲーム内での他者とのやりとりは、幸福感に大きく寄与しました。

2つのタイトルのオンライン要素は、プレイヤーの社会性の発揮につながりました。

 

一方で、日々の生活に不満を感じている一部のプレイヤーは、長時間のゲームプレイから恩恵を得られませんでした。

彼らは、ゲームを強要されたと感じるなどのネガティブな反応を見せ、その満足度は総じて低くなりました。

プシュビルスキー氏は、「「あつまれ どうぶつの森」だけで幸せになるわけではないが、毎日4時間プレイすれば、そうしない人よりも幸せを感じるだろう」と述べています。

 

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過去の研究の多くは、「長時間のゲームプレイは人を不幸にする」と結論づけています。

これは、一部の親や政策立案者のビデオゲームに対する嫌悪を生み、規制の必要性を訴える根拠となっています。

しかし今回の結果はまったく逆であり、長時間のゲームにも良い面があることを証明しています。

これまでとは異なる結果の理由について研究者は、過去の研究がプレイヤーの主観による情報に頼っている点や、オンラインでのやりとりが現在よりも少なかった点などを挙げています。

 

プシュビルスキー氏は、「実際遊びは、人々の精神的健康に関わる活動である」と述べ、今後さらに多くのタイトルで研究を行うため、他のゲームメーカーに対しデータの共有を呼びかけています。


研究結果はPsyArXivに掲載されました。

 

 

 


 

 

せつな
せつな

昔は一人で黙々とプレイするゲームも多かった……

しぐれ
しぐれ

ゲームでも他人との交流が大事なんだね

 

 

 

References: University of Oxford,BBC